にんじん がんを撃退する助けをするかも
Carrots may help ward off cancer
英国ニューキャスル大学の研究者がにんじんの化学成分ががん発生のリスクを軽減するかもしれないと発表した。にんじんの天然殺虫成分、ファルカリノールがラットのがん発生を三分の一に減らした。
この発見は新しい世代の抗がん剤をもたらすことでしょう。このことは生産者にたいしてにんじんの有効な特性を増やすための励みになります。詳細は農業・食品化学の専門誌に掲載されます。
ファルカリノールはにんじんを保存中に起こる根に黒い斑点できるカンゾウ根腐れ病といわれる菌類の病気を防ぎます。
単語帳
*ward off :攻撃などをかわす *compound :成分 *pesticide :殺虫剤
*falcarinol :ファルカリノール(ポリアセチレン化合物、キク科、セリ科、ウコギ科に多数存在してる)
*carrot: にんじん、ラテン名 Daucus carota 、 セリ科 *property :特性
*fungal=foungus :菌類 *liquorice=licorice(カンゾウ、甘草) rot(腐敗) :カンゾウ根腐れ
*pre-cancerous tumours. :前がん腫瘍
Further work
*lethal dose :致死量 *negate :無効にする *portion :部分
植物の物質代謝
にんじんの天然殺虫成分、ファルカリノーは植物の2次代謝により出来たものです。酢酸―マロン酸経路で飽和脂肪酸が出来、脱水素により不飽和脂肪酸あるいはポリアセチレンが生まれる。植物は光合成により一次代謝物質,糖、たんぱく質、脂質,核酸などの植物が生きていくうえで必要な物質。一次代謝物が原料になり各代謝経路により、アルカロイド、テルペノイド、フラバノイド、等の物質が作られます。植物が環境に適応、害虫とかに自分を守るために2次代謝物を作ります。フラボノイドは葉においては紫外線によるDNAの損傷を防ぐため。また、アロマセラピーにおける精油の化学成分も植物の2次代謝によって作られます。ラベンダーの酢酸リナリルの含有量は植物の生育する高度が高くなると量が増えます。高度が高いということは、紫外線が強い、寒暖の差が高いことを意味します。植物は
環境に適応のための化学成分を作り、人間がその成分を利用し健康維持、ストレス解放に役立ています。植物の代謝を勉強すると、健康食品等の成分にもっと興味が増すかも知れません。
本の紹介
ハーブの科学
陽川 昌範 株式会社養賢堂発行
植物の代謝、ハーブの歴史、ハーブの化学、ハーブ機能 アロマセラピストに役に立つ本
Comments
欲しい情報が、わかりやすく書かれていてとても嬉しいです。
いま、植物の化学を勉強しています。
しかも、酢酸リナリルの含有量が、植物が生育している高度にもよるなんて知りませんでした!!
植物はえらいし、ありがたいですね。
Posted by: cherry-bob | August 15, 2005 12:27 AM