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February 29, 2008

香りの図書館講演会:花の香りを創る

今日は、香りの図書館主催の「香りトワ・エ・モア」セミナー、(花の香りを創る)―花き園芸における香りの研究―、講師大久保 直美、主任研究員、花き研究所の講演を聞きに行きました。

花の色・形が美しく、長持ちして、生産者が育てやすい花を作るために品種改良がおこなわれてきました。そこには花の香りに関しては重きが置かれていなかったが最近では付加価値を高めるに香りのよい花が求められるようになってきた。また、花によっては香りが強くて特定の場所にはそぐわないこともあります。

これらの条件を満たすために香りの強さをコントロールしまた、香りを増した花の開発するための研究開発が求められます。

これらのことを実現させるためには、花の香る仕組みを理解しなくてはいけないです。植物は、主に昆虫などのポリネーター(pollinator;送粉者)を引き寄せるために花から香りを発散させている。この昆虫の活動時間によって、多くの花には香気成分の発散が昼と夜に分かれます。

花の香る仕組みは3つに分れると説明されました。

1.生合成段階:香りを作る
2.発散段階:香りを出す
3.代謝段階:香りをためる・こわす


香気成分の生合成経路を理解することによって香気成分の遺伝子を加えることによって香りを増やしたり、変えたりすることができるみたいです。香気成分の素になる物質を増やすことによって香りを強めることができるそうです。

講演で、遺伝子導入によってバラの香りのトマトを作りだした。

バラの香りの成分ゲラニオールの素とトマトのリコピンの藻とは同じなので遺伝子操作を行ってゲラニオールを含むトマトを作りだしたのでバラの香りがするトマトが出来たのです。

この講演で植物の香りがどのようにして作られているのかを理解することができました。香りの素になる物質に酵素が働きかけて香り成分のゲラニオールなどが出来るのです。この香り成分が出来るのは植物の2次代謝になります。

この2次代謝を行うためには酵素が重要な役割を果たしますと先生は述べていました。酵素は温度に敏感だと言っていました。地球温暖化は植物にとっては死活問題であります。温度が上がることによって一次代謝が重要課題になり二次代謝にエネルギーが行かなくなり香り成分が落ちる場合があるそうです。

以前、植物代謝の件に関して勉強しましたが今回の講演を聞いて植物香気成分の生合成経路に興味を持ちました。

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