柴胡抽出物の抗インフルエンザウイルス作用(イン・ビトロ)
In vitro anti-influenza A H1N1 effect of extract of Bupleuri Radix
柴胡(サイコ)抽出物の抗A型インフルエンザウイルス亜型作用(インビトロ)
PUBMEDより
Immunopharmacol Immunotoxicol. 2011 Sep;33(3):433-7.
Wen S, Huifu X, Hao H.
Source
Department of Paediatrics, Wuhan First Hospital, Wuhan, PR China.
Abstract
要旨
This study investigated the effect of the extract of Bupleuri Radix (BRE) on the infection of Madin-Darby Canine Kidney (MDCK) cells by anti-H1N1 virus. The effect of BRE on RANTES (the chemokine regulated on activation, normal T cells expressed and secreted) secretion in H1N1-infected A549 cells (human bronchial epithelial cells) was evaluated via quantative measurement of the changes in the cytopathic effects and by the ultraviolet (UV) absorbance at 600 nm.
この研究は抗A型インフルエンザウイルスH1N1亜型によるメイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)細胞の感染症に対する柴胡抽出物の作用を調査した。H1N1亜型感染A549細胞株(ヒト気管支上皮細胞)でランテス・RANTES(活性、正常T細胞の発現および分泌を調節するケモカイン)分泌が細胞変性効果の定量測定を介して、および600 nm.で紫外吸収よって評価された。
Madin-Darby Canine Kidney (MDCK):メイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)
RANTES・ランテス:(血小板やT細胞由来の好酸球走化性物質)
human bronchial epithelial cellsヒト気管支上皮細胞)
quantative measurement 定量測定
cytopathic effects 細胞変性効果
ultraviolet (UV) absorbance 紫外吸収
It was found that BRE was toxic to MDCK cells at a higher concentration while had a marked inhibitory effect on cell pathological changes at a lower concentration.
柴胡抽出物(BRE)は高濃度でメイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)細胞に対して有毒であって、一方、低濃度で細胞の病理的変化に顕著な阻害作用を有していたことが解った。
Results also showed that BRE possessed more than 50% suppressing effect on RANTES secretion in H1N1-infected A549 cells at a concentration of 100 and 200 μg/ml.
また、結果は柴胡抽出物(BRE)が100 and 200 μg/ml. 濃度でH1N1亜型感染A549細胞株(ヒト気管支上皮細胞)におけるランテス・RANTES分泌に対して50%以上の抑制効果を有することが示された。
Our findings show that BRE has a significant protective effect on MDCK cells infected in a dose-dependent manner with an excellent suppressing effect on RANTES secretion, suggesting that BRE can be developed as an antivirus agent.
私たちの研究結果は柴胡抽出物(BRE)がランテス・RANTES分泌に対して顕著な抑制効果を有していて、容量依存方法で感染したマディン•ダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞に対して有意な保護作用を有していて、柴胡抽出物(BRE)が抗ウイルス剤として開発できることを示している。
用語
A H1N1
H1N1亜型(えいちいちえぬいちあがた Influenza A virus subtype H1N1)はA型インフルエンザウイルスの亜型の一つである。H1N1、A (H1N1)とも表記され、日本ではソ連型、Aソ連型とも呼ばれる。 スペインかぜとしてパンデミック(世界的流行)を起こしたウイルスもこの亜型の株である。ヒトに感染した場合の症状は比較的軽く、ブタの間でエンデミック(局地流行)を起こしたりもする。さまざまな種類の変異株が鳥類から発見された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/H1N1%E4%BA%9C%E5%9E%8B
Chemokine・ケモカイン
ケモカイン (Chemokine) は、Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性タンパク質であり、サイトカインの一群である。白血球などの遊走を引き起こし炎症の形成に関与する。1987年にIL-8が同定されて以来、数多くのケモカイン分子が新しく発見されてきた。ケモカインは構造上の違いからCCケモカイン、CXCケモカイン、Cケモカイン及びCX3Cケモカインに分類される。これまでに50種類以上のケモカインが同定されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%A2%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%B3
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