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April 06, 2013

ホスホジエステラーゼ阻害剤は赤色光による皮膚透過バリア回復の促進をブロックする。

Phosphodiesterase inhibitors block the acceleration of skin permeability barrier repair by red light.

ホスホジエステラーゼ阻害剤は赤色光による皮膚透過バリア回復の促進をブロックする。

Phosphodiesterase inhibitors ホスホジエステラーゼ (PDE) 阻害剤

PUBMEDより

Exp Dermatol. 2011 Jul;20(7):568-71. doi: 10.1111/j.1600-0625.2011.01255.x. Epub 2011 Mar 16.

Goto M, Ikeyama K, Tsutsumi M, Denda S, Denda M.

Source

Shiseido Innovative Science Research & Development Center, Yokohama, Japan.

株式会社資生堂新成長領域研究開発センター

Abstract

要旨

We previously demonstrated that exposure to red light (550-670 nm) accelerates epidermal permeability barrier recovery after barrier disruption. Furthermore, we showed that photosensitive proteins, originally found in retina, are also expressed in epidermis. In retina, transducin and phosphodiesterase 6 play key roles in signal transmission.

我々は以前に赤色光(550-670nm)への曝露がバリアの破壊後の表皮透過バリア回復を加速することを実証した。さらに、我々はもともと網膜にみられる感光性タンパク質も表皮で発現していることを示した。網膜で、トランスジューシンおよびホスホジエステラーゼ6は信号伝送で重要な役割をする。

photosensitive protein 感光性タンパク質
transducin トランスジューシン
signal transmission.信号伝送

In this study, we evaluate the role of phosphodiesterese 6 in the acceleration by red light of epidermal permeability barrier recovery. Immunohistochemical study and reverse transcription-PCR assays confirmed the expression of both transducin and phosphodiesterase 6 in epidermal keratinocytes.

本研究で、我々は赤色光による表皮透過バリア回復加速におけるホスホジエステラーゼ6の役割を評価する。免疫組織化学的研究および逆転写逆転写-PCRアッセイは表皮角化細胞でトランスジューシンおよびホスホジエステラーゼ6の両方の発現を確認した。

Immunohistochemical 免疫組織化学的な
reverse transcription PCR assay 逆転写逆転写-PCRアッセイ
PCR (polymerase chain reaction)ポリメラーゼ連鎖反応
Polymerase:重合酵素,ポリメラーゼ

Topical application of 3-isobutyl-1-methylxanthine, a non-specific phosphodiesterase inhibitor, blocked the acceleration of the barrier recovery by red light. Topical application of zaprinast, a specific inhibitor of phosphodiesterases 5 and 6, also blocked the acceleration, whereas T0156, a specific inhibitor of phosphodiesterase 5, had no effect.

非特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤の3- イソブチル-1-メチルキサンチンの局所塗布は赤色光による皮膚バリア回復の加速を阻害した。ホスホジエステラーゼ5と6の特異的阻害剤・ザプリナストの局所塗布も加速を阻害して、一方、ホスホジエステラーゼ5の特異的阻害剤・T0156,は効果がなかった。

3-isobutyl-1-methylxanthine:3- イソブチル-1-メチルキサンチン(ホスホジエステラーゼ阻害薬)

Red light exposure reduced the epidermal hyperplasia induced by barrier disruption under low humidity, and the effect was blocked by pretreatment with zaprinast. Our results indicate phosphodiesterase 6 is involved in the recovery-accelerating effect of red light on the disrupted epidermal permeability barrier.

赤色光暴露は低湿度下でのバリア破壊によって誘発される表皮過形成を減少させて、その効果はザプリナストによる前処置によってブロックされました。我々の研究結果はホスホジエステラーゼ6が崩壊した表皮透過バリア回復への赤色光の回復促進作用に関与していることを示している。

epidermal hyperplasia 表皮過形成:表皮が肥厚した状態をさす.とくに有棘層が肥厚し,角化細胞が増加する。

ホスホジエステラーゼ(PDE)に興味を持ち調べてみました。

細胞外からの情報伝達物質が細胞内の受容体に結合すると新たに別の情報伝達物質が作られ、これが細胞の代謝や変化に影響を及ぼす。この二次的に産生される情報伝達物質のことをセカンドメッセンジャー(英文表記:Second messenger system)という。このセカンドメッセンジャ―には(cyclic AMP:環状アデノシン一リン酸、cGMP:環状グアノシン一リン酸があります。

この2つを加水分解する酵素はホスホジエステラーゼ(PDE)になります。これらの酵素が細胞内のcAMP,cGMP濃度を調節しています。種々の病気はホスホジエステラーゼ(PDE)の亢進,またはアデニル酸シクラーゼ,グアニル酸シクラーゼ活性が低下し,細胞内cAMPあるいはcGMPが不足した状態になっていることが多いいです。

ホスホジエステラーゼ(PDE)の亢進を阻害するのがホスホジエステラーゼ阻害薬で細胞内のcAMP,cGMP濃度を安定させて病気を治します。

ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤には一から七(詳しくはライフサイエンス出版ライフサイエンス出版のCirculation Forumをご覧ください)まであります。

尚、上記のホスホジエステラーゼ5であるシルデナフィル(バイアグラ)は局所血流量を増大させ男性機能障害(ED)、肺高血圧の治療薬となっている。

ホスホジエステラーゼ6は網膜cGMP 選択的分解酵素で光感受性受容体になります。

参照

ホスホジエステラーゼ阻害薬について ライフサイエンス出版のCirculation Forumより
http://www.lifescience.jp/ebm/medhist/9611/9611.html

セカンドメッセンジャー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC

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お知らせ

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