牛乳の高容量カルシウムは牛乳タンパク質によって産生したカルシウム喪失を補う。
Dietary Animal and Plant Protein and Human Bone Health: A Whole Foods Approach1,
食物の動物性および植物性タンパク質と骨健康:全食物アプローチ
PUBMEDより
J Nutr. 2003 Mar;133(3):862S-865S.
Massey LK.
Source
Food Science and Human Nutrition, Washington State University Spokane, 99210, USA.
米国、ワシントン 州立大学、食品科学・人間栄養学;
Abstract
要旨
Urinary calcium excretion is strongly related to net renal acid excretion. The catabolism of dietary protein generates ammonium ion and sulfates from sulfur-containing amino acids. Bone citrate and carbonate are mobilized to neutralize these acids, so urinary calcium increases when dietary protein increases. Common plant proteins such as soy, corn, wheat and rice have similar total S per g of protein as eggs, milk and muscle from meat, poultry and fish.
尿中カルシウム排泄量が強く腎からの総酸分泌排泄と関連している。食品タンパク質の異化は硫黄を含むアミノ酸からアンモニウムイオンおよび硫酸塩を産生する。骨からのクエン酸と炭酸塩がこれらの酸を中和するために動員されて、それで、食品タンパク質が増えると、尿中カルシウムが増加する。大豆、トウモロコシ、小麦、米などの一般的植物性タンパク質は、卵、牛乳および肉、鶏肉および魚からの筋組織としてのタンパク質1gあたり同じように全硫黄を有している。
net acid excretion総酸分泌(排泄)
catabolism 異化
Sulfate 硫酸塩
sulfur-containing amino acids 硫黄を含むアミノ酸
citrate クエン酸
carbonate 炭酸塩
Therefore increasing intake of purified proteins from either animal or plant sources similarly increases urinary calcium. The effects of a protein on urinary calcium and bone metabolism are modified by other nutrients found in that protein food source.
それゆえに、動物や植物ソースのいずれからの精製タンパク質は尿中カルシウムを増加させる。尿中カルシウムおよび骨代謝へのタンパク質への作用はそのタンパク質食品源にみられる他の栄養素によって修正される。
purified proteins 精製タンパク質
For example, the high amount of calcium in milk compensates for urinary calcium losses generated by milk protein. Similarly, the high potassium levels of plant protein foods, such as legumes and grains, will decrease urinary calcium.
例えば、牛乳の高容量カルシウムは牛乳タンパク質によって産生したカルシウム喪失を補います。同様に、豆類および穀物などの植物性タンパク質食品の高濃度カリウムは尿中カルシウムを減少させる。
The hypocalciuric effect of the high phosphate associated with the amino acids of meat at least partially
offsets the hypercalciuric effect of the protein. Other food and dietary constituents such as vitamin D, isoflavones in soy, caffeine and added salt also have effects on bone health.
少なくとも部分的に肉のアミノ酸に関連する高リン酸塩の低カルシウム尿作用はタンパク質の低カルシウム尿作用を相殺する。また、ビタミンD、大豆のイソフラボン、カフェインおよび添加塩などのほかの食品および食物の成分は骨健康に影響する。
hypocalciuric低カルシウム尿の
phosphateリン酸塩; リン酸エステル.
Many of these other components are considered in the potential renal acid load of a food or diet, which predicts its effect on urinary acid and thus calcium. “Excess” dietary protein from either animal or plant proteins may be detrimental to bone health, but its effect will be modified by other nutrients in the food and total diet.
これらの他の成分の多くは食品または食事の酸塩基負荷において考慮され、それは尿酸、従って、カルシウムへの影響を予測する。動物性または植物性タンパク質のいずれかからの "過剰"食事タンパク質は骨健康を害するかもしれないが、その効果は食品および全食事の他の栄養素によって修正されるだろう。
potential renal acid load 食事性酸塩基負荷
食品の腎臓への負担を推定する指標として PRAL 値 (potential renal acid load) があります。
用語
catabolism 異化(生物学)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B0%E5%8C%96_(%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6)
異化(いか、Catabolism)とは、分子を小さな構成部分に分解してエネルギーを取り出す代謝過程である[1]。異化作用では、多糖や脂質、核酸、タンパク質等の大きな分子が、それぞれ単糖、脂肪酸、ヌクレオチド、アミノ酸等の小さな部分に分解される
Anabolis 同化 (生物学)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E5%8C%96_(%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6)
同化(どうか、Anabolism)とは、小さな部品から分子を構成する代謝過程である[1]。これらの反応にはエネルギーが必要である。代謝過程を分類する1つの方法として、細胞、組織のレベルにおいて「同化作用」か「異化作用」かというのがある。同化は、大きな分子を小さな部分に分解して細胞呼吸に用いる異化から得られるエネルギーによって起こる。
関連情報
下記は薬事情報より
http://issl.jp/opa/magazine/pdfs/24/20091218.pdf
尿pH に影響する因子
1) 食事と酸性尿
肉, 魚, 穀物, 卵などは尿を酸性化し, ヒジキ,わかめ, こんぶ, 大豆等は尿をアルカリ化させます(表1)2)。実際のアルカリ度との関係や食事療法の処方が明らかになっているわけでなく「アルカリ性食品」という言葉が健康イメージをかりたて, 定着することは問題であるとの指摘もあります5)。しかし, 結果として尿を酸性化させる食品を酸性食品, アルカリ化させる食品をアルカリ性食品として分類している例もあります。
食品の腎臓への負担(食事性酸塩基負荷) を推定する指標としてPRAL 値(potential renal acid load) があり食品の選択に用いられています。PRAL 値が高い(体内の酸塩基平衡を酸側に傾かせる方向にはたらく食事を摂っている) ほど, 血圧, 総コレステロール, LDLが高値であったという研究結果があります6)。
酸性食品とアルカリ性食品
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E6%8C%87%E6%95%B0
PRAL値
1995年、食品の腎臓への酸性の負荷をPRAL値という指標であらわす測定方法が考え出された[26]。後述するように尿路結石を予防するためには尿をアルカリに傾ける必要があるが、PRALの指標を食品の選択に用いることができる。酸性の食事が骨の健康を損ねるので、この目的でも用いられる[27][18]。この分類では、卵黄やアルカリ分が残っていないチーズは酸性度の最も高い食品とされ、野菜や果物はアルカリ性の食品に分類される[28]。
たんぱく質による骨密度低下
ハーバード大学で、栄養学を教えているウォルター・ウィレット教授は、タンパク質を摂取しすぎれば酸を中和するために骨が使われるので骨が弱くなる可能性がある、として注意を促している
骨粗鬆症
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E9%AC%86%E7%97%87
カルシウム・パラドックスより
一方、2002年の世界保健機関 (WHO) の報告書では、骨粗鬆症予防のための項目で、カルシウムの摂取量が多い国に骨折が多いという現象をカルシウム・パラドックスと呼んでいる。この現象の原因として、カルシウムの摂取量よりも、カルシウムを排出させる酸性の負荷をタンパク質がもたらすという悪影響のほうが重いではないかと推論されている[6]。さらに、2007年のWHOの報告書で、酸を中和するほどのアルカリ成分がないとき、カルシウムが排出され骨に影響すると考えられ、アルカリ成分として野菜と果物が挙げられている[7]。
日本国外の骨粗鬆症の診療ガイドライン[8]では、砂糖や動物性食品はカルシウムを奪う「骨泥棒」とされ、骨粗鬆症の予防のためアルカリ性食品を摂取するように言及している。また、そうしたことで発生した血中の酸を中和するのは骨の仕事だと解説している[8]。1995年、食品の腎臓への酸性の負荷をPRAL値という指標で表す測定方法が考え出された[9]。酸性の食事が骨の健康を損ねるので、この目的でも用いられる[10][11]。
野菜と果物を多く食べた子供は尿中のカルシウムの排出量が少なかった[12]。野菜と果物の摂取量が多いほど骨密度が高いという研究結果が老若男女それぞれにある[12][13][14][15]。
疫学的調査によれば牛乳を良く飲む人ほど骨粗鬆症になりやすい。ホメオスタシスの働きにより、急激に上がり上限値を越えてしまったカルシウム濃度を下げようと負のフィードバックが働き、今度は下限値を越えてしまい、骨からカルシウムを補う為である。
思いついたこと
牛乳タンパク質はカゼン(76-86%)とホエータンパク質(タンパク14-24)です。含硫アミノ酸を多く含む食品としてカゼインがあります。硫黄を含むアミノ酸のカゼインはアンモニウムイオンおよび硫酸塩を産生します。この酸性を中和するために牛乳に含まれるカルシウムを使用します。このために牛乳を沢山とっても骨が強くならない理由かも?
また、含硫アミノ酸を多く含む食品(可食部100gあたり)によると、カゼイン3100 mg 、かつお(加工品、削り節) 3000 mg 、小麦たんぱく(粉末状) 2900 mgになります。
カゼインは硫黄の含有が食品の中で一番で、リンタンパク質(リン酸化タンパク質)なります。カゼンはマイナスの電荷を帯びており、カルシウムイオンやナトリウムイオンと結びつきやすい性質を持つ。
摂取した食べ物を代謝するために体の細胞にある様々な成分を使用します。硫黄を含むアミノ酸は身体を酸性にさせるので中和させるためにアルカリ性のカルシウムを使用して、排泄されます。その結果アルカリ性を保つ成分が少なくなります。このために体にアルカリ性成分のある食物の摂取が必要になります。食べているものが身体に入って代謝するのにどのような成分使用するのかは大事なことです。
また、精油の成分が体内に吸収されてどのように変化して、薬理効果を発現するのかに興味があります。
下記はフィトアロマ研究所のブログからです。酸性食品とアルカリ性食品が健康に影響するのかと思いました。
尚、エドガーケーシの病気の原因・11項目の一つに4. Improper Acid-Alkaline Balance, 不適切な酸・アルカリバランスがあります。
4.Improper Acid-Alkaline Balance, 不適切な酸・アルカリバランス
身体全体は絶えず生物化学的に酸・アルカリバランスを維持しようと努めています。健康および生命自身の維持のために、各細胞は、細胞構成要素での酸とアルカリ間の適切な関係を保持しなければならない。細胞間液で、この2重構成要素は細胞から細胞までの正と陰の電気インパルス伝達の基本である。それは、たとえば、脳と身体の間では神経インパルス移動で起こります。電気エネルギーは、細胞内液で栄養物および毒物の両方の酸化によって放出されます。過度の酸性およびアルカリ性はこれらの化学過程を妨害して、結果的に高濃度毒物になり、病気への罹患を高め、身体全体のエネルギー値を下げます。
EDGAR CAYCE ENCYCLOPEDIA OF HEALING by Reba Ann Karpより
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