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July 20, 2013

ヤロー(セイヨウノコギリソウ)精油の抗炎症の作用機序

Achillea millefolium L. Essential Oil Inhibits LPS-Induced Oxidative Stress and Nitric Oxide Production in RAW 264.7 Macrophages.

ヤロー(セイヨウノコギリソウ)精油はRAW 264.7 マクロファージのリポ多糖誘発酸化ストレスおよび一酸化窒素産生を阻害する。

Nitric Oxide Production 一酸化窒素(無色のフリーラジカルガス)
Macrophage マクロファージ

PUBMEDより

Int J Mol Sci. 2013 Jun 24;14(7):12978-93. doi: 10.3390/ijms140712978.

Chou ST, Peng HY, Hsu JC, Lin CC, Shih Y.

Source

Department of Food and Nutrition, Providence University, 200, Sec. 7, Taiwan Boulevard, Shalu Dist., Taichung 43301, Taiwan. chchlin@pu.edu.tw.

Abstract

要旨

Achillea millefolium L. is a member of the Asteraceae family and has been used in folk medicine in many countries. In this study, 19 compounds in A. millefolium essential oil (AM-EO) have been identified; the major components are artemisia ketone (14.92%), camphor (11.64%), linalyl acetate (11.51%) and 1,8-cineole (10.15%).

ヤロー(セイヨウノコギリソウ)はキク科の仲間で、多くの国々で民間療法に使用されてきた。本研究で、ヤロー精油(AM-EO)の19成分が同定された:主要成分は、アルテミシアケトン(14.92%), カンファー (11.64%), 酢酸リナリル(11.51%) and 1,8-シネオール(10.15%)である。

asteraceae family キク科
artemisia ketone アルテミシアケトン

AM-EO can suppress the inflammatory responses of lipopolysaccharides (LPS)-stimulated RAW 264.7 macrophages, including decreased levels of cellular nitric oxide (NO) and superoxide anion production, lipid peroxidation and glutathione (GSH) concentration.

ヤロー精油は細胞内一酸化窒素濃度、超酸化物アニオン産生、脂質過酸化反応とグルタチオン(GSH)濃度の減少を含むリポ多糖刺激RAW 264.7 マクロファージの炎症反応を抑制することができる。

lipopolysaccharides (LPS)  リポ多糖
RAW 264.7 macrophages マクロファージ
cellular nitric oxide (NO) 細胞内一酸化窒素
superoxide anion production 超酸化物アニオン産生
lipid peroxidation 脂質過酸化反応
glutathione (GSH) グルタチオン(GSH)・抗酸化物質

This antioxidant activity is not a result of increased superoxide dismutase (SOD), catalase (CAT), glutathione peroxidase (GPx) activities, but rather occurs as a result of the down-regulation of inducible nitric oxide synthase (iNOS), cyclooxygenase-2 (COX-2), tumor necrosis factor-α (TNF-α), interleukin-6 (IL-6) and heme oxygenase-1 (HO-1) expression, thus reducing the inflammatory response.

この抗酸化活性は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)の活性増加の結果でなくて、むしろ、誘導型一酸化窒素合成酵素、シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)、腫瘍壊死因子α、インターロイキン-6の下方制御およびヘムオキシゲナーゼ(HO)発現の結果として発生する故に、抗炎症反応を減少させる。

superoxide dismutase スーパーオキシドジスムターゼ、超過酸化物不均化酵素
(超酸化物質を過酸化水素と酸素へ変換する酵素)
Catalase:カタラーゼ(過酸化水素を不均化して酸素と水に変える反応を触媒する酵素)
glutathione peroxidase (GPx):グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)
inducible nitric oxide synthase (iNOS) 誘導型一酸化窒素合成酵素

cyclooxygenase-2 (COX-2) シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)
シクロオキシゲナーゼを阻害する薬剤はアスピリンです。同様な効果がある精油はウインターグリーンで、エッセンシャルオイル総覧・改訂版 三上杏平著によると、精油1mlは1.4gのアスピリンに相当します。
tumor necrosis factor-α腫瘍壊死因子α(炎症増加)
heme oxygenase-1 (HO-1):ヘムオキシゲナーゼ(HO)

Therefore, AM-EO can be utilized in many applications, including the treatment of inflammatory diseases in the future.
したがって、ヤロー精油は、将来的に炎症疾患治療を含む多くの用途に利用することができる。

用語解説

Macrophage マクロファージ
http://www.google.co.jp/search?source=ig&hl=ja&rlz=1G1TSJH_JAJP509&q=Macrophage&oq=Macrophage&gs_l=igoogle.12...3177.3177.0.4420.1.1.0.0.0.0.0.0..0.0...0.0...1ac.2.12.igoogle.Lwuc3kzEVow
マクロファージ(Macrophage, MΦ)は白血球の1種。生体内をアメーバ様運動する遊走性の食細胞で、死んだ細胞やその破片、体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を捕食して消化し、清掃屋の役割を果たす。とくに、外傷や炎症の際に活発である。

リポ多糖
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%9D%E5%A4%9A%E7%B3%96
リポ多糖(リポたとう、英: Lipopolysaccharide, LPS)は、グラム陰性菌細胞壁外膜の構成成分であり、脂質及び多糖から構成される物質(糖脂質)である。LPSは上記に述べたシグナル伝達経路を介して種々の炎症性サイトカインの分泌を促進する作用を持つ。

脂質過酸化反応
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%B3%AA%E9%81%8E%E9%85%B8%E5%8C%96%E5%8F%8D%E5%BF%9C
脂質過酸化反応(ししつかさんかはんのう、英: Lipid peroxidation)とは、脂質の酸化的分解反応のことを言う[1][要高次出典]。フリーラジカルが細胞膜中の脂質から電子を奪い、結果として細胞に損傷を与える過程のことを言う。この過程は、フリーラジカルの連鎖反応のメカニズムによって進行する。脂質過酸化反応は、通常、多価不飽和脂肪酸にしばしば影響を与える。それは、多価不飽和脂肪酸は特に反応性の高い水素を有するメチレン基に挟まれた複数の二重結合を有しているためである。他のラジカル反応と同様に、脂質過酸化反応は、開始、進行、停止の3つの主要な反応で構成される。

グルタチオンペルオキシダーゼ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC
グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)は、主な生物学的役割が酸化的損傷からの有機体の保護であるペルオキシダーゼ活性を有する酵素ファミリーの一般名である。グルタチオンペルオキシダーゼの生化学的機能は、脂質ヒドロペルオキシドの対応するアルコールへの還元と遊離過酸化水素の水への還元である

シクロオキシゲナーゼ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B2%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%BC

炎症とCOX-2
COX-2はサイトカインや増殖因子などの刺激により発現が誘導されることが知られている。炎症時にはCOX-2を介したPGE2やPGI2等の産生が亢進する。PGE2は血管透過性の亢進、血管拡張及び発痛に、PGI2は血管拡張及び発痛に関与し、炎症反応をそれぞれ進行させる。

インターロイキン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3-6
IL-6(インターロイキン(Interleukin)-6)はT細胞やマクロファージ等の細胞により産生されるレクチンであり、液性免疫を制御するサイトカインの一つである。IL-6は1986年に相補的DNA(cDNA)がクローニングされ[1]、以降IL-6は種々の生理現象や炎症・免疫疾患の発症メカニズムに関与していることが明らかになった。

ヘムオキシゲナーゼ(HO)
ヘムオキシゲナーゼと生体防御機構 ; 抗炎症治療のパラダイムシフト
http://ci.nii.ac.jp/naid/10018857951
ヘムオキシゲナーゼ(heme oxygenase ; HO)はヘム代謝に関わる酵素であると同時に,細胞を酸化ストレスによる傷害から守る細胞保護蛋白である

炎症と腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α, TNF-α)
http://www.vsj.co.jp/file/topics8.html
TNF-αは「腫瘍を壊死させる因子」として始めは考えられていた。その後、炎症を誘導するたんぱく質であることが明らかとなり、今ではTNF-αは前炎症性サイトカインとして知られており、急性炎症と慢性炎症を誘導する

RAW264.7 macrophageを調べているときに見つけた文献で、ワインの成分であるレスベラトロールなので興味を持った。

マクロファージの炎症性メディエーター産生に対するレスベラトロールの制御機構
Effect of Resveratrol on the inflammatory mediator production from the RAW264.7 macrophage
http://thcu.ac.jp/school/pdf/bulletin05/bulletin05_02.pdf

体内においてover calorie(カロリーの過剰摂取)により栄養学的バランスが崩れると、代謝異常を引き起こし肥満状態となる。その時、体内のマクロファージは活性化されて炎症性マクロファージとなり、NO、PGE₂、TNF-αなどサイトカインをはじめとする炎症性メディエーターを産生する。これら各種炎症性メディエーターの産生亢進は、慢性炎症による組織障害を引き起こし、動脈硬化、リュウマチ、がんなど生活習慣病を誘導する11-14)。

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