がん細胞および腫瘍微小環境細胞におけるセマフォリンシグナル・・表裏一体の関係
Semaphorin signaling in cancer cells and in cells of the tumor microenvironment--two sides of a coin.
がん細胞および腫瘍微小環境細胞におけるセマフォリンシグナル・・
表裏一体の関係
the tumor microenvironment:腫瘍微小環境
PUBMEDより
J Cell Sci. 2009 Jun 1;122(Pt 11):1723-36. doi: 10.1242/jcs.030197.
Capparuccia L, Tamagnone L.
Source
Institute for Cancer Research and Treatment (IRCC), University of Turin, S.P. 142, 10060, Candiolo (TO), Italy.
Abstract
要旨
Semaphorins are a large family of secreted and membrane-bound molecules that were initially implicated in the development of the nervous system and in axon guidance. More recently, they have been found to regulate cell adhesion and motility, angiogenesis, immune responses, and tumor progression.
セマフォリンは、神経系発達および軸索誘導で最初に関与する分泌性および膜結合型の分子郡である。最近、それらは、細胞粘着と運動性、血管新生、免疫応答、および腫瘍進行を調節することが解明されました。
membrane-bound膜結合型の
cell adhesion 細胞接着
Semaphorin receptors, the neuropilins and the plexins, are expressed by a wide variety of cell types, including endothelial cells, bone-marrow-derived cells and cancer cells. Interestingly, a growing body of evidence indicates that semaphorins also have an important role in cancer. It is now known that cancer progression, invasion and metastasis involve not only genetic changes in the tumor cells but also crosstalk between tumor cells and their surrounding non-tumor cells.
セマフォリン受容体、ニューロピリンおよびプレキシンは、内皮細胞、骨髄由来細胞およびがん細胞を含む多種多様な細胞タイプによって発現される。興味深いことには、セマフォリンもがんで重要な役割をもっていることを示す多くの証拠が増大している。がん進行、浸潤および転移は腫瘍細胞の遺伝子変化に関与するばかりでなくて、腫瘍細胞とそれらの周りにある非腫瘍細胞とのクロストークにも関与している。
Neuropilin ニューロピリン (神経軸索の成長方向を決定する受容体)
plexin プレキシン (セマフォリン受容体)
invasion 浸潤
Through the recruitment of endothelial cells, leukocytes, pericytes and fibroblasts, and the local release of growth factors and cytokines, the tumor microenvironment can mediate tumor-cell survival, tumor proliferation and regulation of the immune response.
内皮細胞、白血球、周皮細胞と線維芽細胞、および増殖因子とサイトカインの局所放出の動員を通して、腫瘍微小環境は、腫瘍細胞の生存、腫瘍増殖および免疫応答の制御を媒介することが出来る。
Pericyte 周皮細胞; 周細胞
fibroblast線維芽細胞(せんいがさいぼう)
Moreover, by conferring cancer cells with an enhanced ability to migrate and invade adjacent tissues, extracellular regulatory signals can play a major role in the metastatic process. In this Commentary, we focus on the emerging role of semaphorins in mediating the crosstalk between tumor cells and multiple stromal cell types in the surrounding microenvironment.
隣接組織に転移および侵入するためにがん細胞に増強された能力を授与することによって、細胞外調節信号が転移過程で重要な役割を果たすことができる。この解説では、周囲微小環境における腫瘍細胞と多様性間質細胞タイプとのクロストークを媒介することにおいて、セマフォリンの新生の役割に私たちは注目する。
adjacent tissues 隣接組織
stromal cells間質細胞,
用語
腫瘍微小環境
http://www.weblio.jp/content/%E8%85%AB%E7%98%8D%E5%BE%AE%E5%B0%8F%E7%92%B0%E5%A2%83
腫瘍の周囲に存在して栄養を送っている正常な細胞、分子、血管などのこと。腫瘍の存在によって微小環境が変化することもあれば、微小環境によって腫瘍の増殖や拡大が影響を受けることもある。
セマフォリン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%9E%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%83%B3
セマフォリン(英: Semaphorin)とは細胞間のシグナル伝達に関わるタンパク質群であり、神経回路の形成や免疫細胞の調節に関わっている。セマフォリンは神経軸索のガイダンスの他にがんの転移や多発性硬化症、アトピー性皮膚炎などにも関わっている。
軸索誘導
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%B8%E7%B4%A2%E8%AA%98%E5%B0%8E
軸索誘導(じくさくゆうどう、英: Axon guidance)は、神経系の発生段階において、正しい神経回路形成を行うのに重要なプロセスである。神経細胞から伸びた軸索は、神経結合を成立させる標的細胞付近まで適切に伸長しなければならない。この間、たとえば脳の神経細胞ではせいぜい数ミリから数センチ程度でよいが、脊髄の運動神経などの場合、脊髄後根神経節に位置する細胞体から指先の筋肉の運動神経終板まで、ヒトでは1m近く、他の大型哺乳類では数メートルにも及ぶ距離を、適切に誘導されなければならない。この誘導を軸索誘導Axon guidance(軸索ガイダンス)という。
間質細胞
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93%E8%B3%AA%E7%B4%B0%E8%83%9E
細胞生物学では、間質細胞(かんしつさいぼう、英: Stromal cell)は、疎性結合組織で発見された臓器の結合組織の細胞である。間質細胞は、ほとんどの場合、子宮粘膜(子宮内膜)、前立腺、骨髄前駆細胞、卵巣だけでなく、造血系などにも関連している。これらは、生体組織の支持構造を構成し、実質細胞を支える細胞である。線維芽細胞、免疫細胞、周皮細胞、内皮細胞および炎症性細胞が間質細胞の最も一般的な種類である。間質細胞と腫瘍細胞との相互作用は、癌の増殖と進行に大きな役割を果たすことが知られている[1]。
思いついたこと
微小環境の状態が腫瘍細胞の増殖や転移に影響する。がんの患者の方は微小環境の状態を健全にたもつ必要があります。ストレス解消と食事に注意を向けることが大切かと思います。ストレス解消には補完・代替療法が役に立つかと思います。また、食事の選択によっては体が炎症体質になるので微小環境に影響を与えます。アンドルー・ワイル先生は抗炎症ダイエットを勧めています。炎症を引き起こすもとしてサイトカインがあります。このサイトカインはうつ病とも関係しています。炎症を起こさない食事として野菜と果物を勧めています。まとまりのないことを書きました。
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