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December 12, 2013

アルツハイマー病や精神疾患のリスク遺伝子は出生時の脳変化にリンクしている。

Risk Genes for Alzheimer's and Mental Illness Linked to Brain Changes at Birth Science daily より

アルツハイマー病や精神疾患のリスク遺伝子は出生時の脳変化にリンクしている。


Some brain changes that are found in adults with common gene variants linked to disorders such as Alzheimer's disease, schizophrenia, and autism can also be seen in the brain scans of newborns.

アルツハイマー病、統合失調症や自閉症などの障害に関連する共通の遺伝子変異を有している成人にみられる一部の脳の変化も新生児の脳スキャンにみることが出来る。

common gene variants 共通の遺伝的変異
schizophrenia 統合失調症
autism 自閉症

"These results suggest that prenatal brain development may be a very important influence on psychiatric risk later in life," said Rebecca C. Knickmeyer, PhD, lead author of the study and assistant professor of psychiatry in the University of North Carolina School of Medicine. The study was published by the journal Cerebral Cortex on Jan. 3, 2013.

これらの結果は出生前の脳の発達がその後の人生で精神疾患リスクに極めて重要な影響があるかもしれないと、本研究の筆頭著者およびノースキャロライナ大学医学部、精神科準教授、Rebecca C. Knickmeyer, Ph博士は述べた。本研究は、Jan. 3, 2013.に雑誌大脳皮質に掲載された。

prenatal brain development 出生前の脳の発達
Cerebral Cortex 大脳皮質

The study included 272 infants who received MRI scans at UNC Hospitals shortly after birth. The DNA of each was tested for 10 common variations in 7 genes that have been linked to brain structure in adults. These genes have also been implicated in conditions such as schizophrenia, bipolar disorder, autism, Alzheimer's disease, anxiety disorders and depression.

本研究にはノースキャロライナ大学医学病院で出生直後にMRIスキャンを受けた272人の幼児が含まれていた。それぞれのDNAは成人の脳構造にリンクしていた7つの遺伝子の10の共通変異に対して検査した。これらの遺伝子も統合失調症、双極性障害、アルツハマー病、不安障害およびつ病などの症状に関与していた。

bipolar disorder 双極性障害

For some polymorphisms -- such as a variation in the APOE gene which is associated with Alzheimer's disease -- the brain changes in infants looked very similar to brain changes found in adults with the same variants, Knickmeyer said. "This could stimulate an exciting new line of research focused on preventing onset of illness through very early intervention in at-risk individuals."

アルツハイマー病に関係するApoE遺伝子の変異などー遺伝子多型にとって、幼児の脳変化は同じ変異体を有する成人にみられた脳変化に極めて似ていたとKnickmeyerは述べた。“このことは予備軍の幼児に非常に速い段階の介入を通して病気の発症予防に焦点をあてた新しいエキサイティング系統の研究を刺激することになる可能性があります。“

polymorphisms 遺伝子多型
Apolipoprotein E (ApoE):アポリポタンパク質E

But this was not true for every polymorphism included in the study, said John H. Gilmore, MD, senior author of the study and Thad & Alice Eure Distinguished Professor and Vice Chair for Research and Scientific Affairs in the UNC Department of Psychiatry.

しかし、このことは本研究に関与した全ての遺伝子多型には当てはまりませんでしたと、研究の第一著者およびノースキャロライナ大学の精神科のThad & Alice Eure特別栄誉教授および研究およびメディカルサイエンススペシャリスト集団の副会長John H. Gilmore, MD,は述べた。

For example, the study included two variants in the DISC1 gene. For one of these variants, known as rs821616, the infant brains looked very similar to the brains of adults with this variant. But there was no such similarity between infant brains and adult brains for the other variant, rs6675281.

例えば、この研究はDISC1遺伝子の2つの変異が含まれていた。rs821616として知られているこれら変異の一つに対して、幼児脳はこの変異を有している成人脳に極めて似ていた。しかし、他の変異・rs6675281.対して幼児脳と成人脳とのその類似性はなかった。

"This suggests that the brain changes associated with this gene variant aren't present at birth but develop later in life, perhaps during puberty," Gilmore said.

“このことはこの遺伝子変異体に関係する脳の変化は出生時には存在してなかったが、その後の人生で発症し、多分、思春期であるとGilmoreは述べた。

"It's fascinating that different variants in the same gene have such unique effects in terms of when they affect brain development," said Knickmeyer.

同じ遺伝子の異なる変異は、それらが脳発達に影響する点においてそのようなユニークな影響を有していることはすばらしいことです。

用語
ApoE遺伝子:アポリポタンパク質E
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アポリポタンパク質(アポリポタンパクしつ)は、リポタンパク質と結合し、リポタンパク質の認識や脂質代謝に関与する酵素群の活性化あるいは補酵素として働く一群のタンパク質である。アポ(apo-)はギリシア語系の接頭語で「~を切り離した、~をまぬがれる」という意。またリポ(lipo-)は脂質の意。

アポリポ蛋白について

アポリポ蛋白Eと精神神経疾患より
https://www.jspn.or.jp/journal/journal/pdf/2011/08/journal113_08_p0773-0781.pdf

アポリポ蛋白は,血清中に存在する脂質・蛋白複合体の蛋白部分の総称であるが,アポリポ蛋白Eは,脂質代謝やコレステロール代謝の調節に重要な役割を果たしている.2003年にアポリポ蛋白E遺伝子が高齢発症アルツハイマー病のリスク遺伝子であることが明らかにされて以来,アポリポ蛋白Eは,アルツハイマー病を含む多くの精神神経疾患のリスク遺伝子であり,高齢者の認知機能低下に関与する重要な遺伝子の1つであることが明らかにされている.

思いついたこと

母親の妊娠中の食生活や思考、生活習慣が胎児の脳に影響するのかもしれません。アポリポタンパク質Eは脂質と関係しているので妊産婦がどのよう脂肪酸の食生活をするのかによって遺伝子に影響を与えるのかもしれません。妊娠中の飽和脂肪酸の多い肉類、乳製品の多量摂取は体内を炎症体質にすると言われて、またアポリポ蛋白Eにも影響をあたえるかもしれません。また、思春期には脳が変化すると言われています。このときの子供の食生活が脳の遺伝子に影響するかもしれません。

一度出来上がった脳の仕組みの変化は神経可塑性(neuroplasticity)によって変化させることができるかも知れない。脳は外部の環境の変化によってシナプスの接続を変えて新ルートを作り、変化に対応すると言われています。

食生活や思考を変化させることによって、脳に対する外部刺激が変わるので良い方向に向くかもしれません。あぶらを販売しているのを生業としていますが健康のあらゆる面でどんな脂肪酸を取っているかによって健康が左右されるような気がします。

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