« シュウーマン共振と陰陽について | Main | アントロポゾフィー(人智学)的ライフスタイルは子供のアトピーを減らすかも? »

June 23, 2014

マウス体毛で撫でられると、快感を感知する皮膚ニューロン(C線維神経・無髄)を発見

現在の仕事をする前は英国ITECアロマセラピー資格取得学校に勤務していました。先日、FACEBOOKを通じて知り合い、卒業生の鍼灸師先生と15年ぶりに再会しました。話をする中で、皮膚をなでられると快感を感知ニューロンがあることを聞きました。どのようかことかと思い、調べて見つけた文献です。

Genetic identification of C fibres that detect massage-like stroking of hairy skin in vivo.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23364746

マウス生体内で体毛を撫でるようなマッサージを感知するC線維の遺伝子同定

Genetic identification 遺伝子同定
hairy skin 体毛

PUBMEDより

Nature. 2013 Jan 31;493(7434):669-73. doi: 10.1038/nature11810.

Division of Biology 156-29, California Institute of Technology, Pasadena, California 91125, USA.

カリフォルニア工科大学、生物学科

Vrontou S1, Wong AM, Rau KK, Koerber HR, Anderson DJ

Author Information

著者情報

Abstract

要旨

Stroking of the skin produces pleasant sensations that can occur during social interactions with conspecifics, such as grooming. Despite numerous physiological studies (reviewed in ref. 2), molecularly defined sensory neurons that detect pleasant stroking of hairy skin in vivo have not been reported.

皮膚をなでることは、グルーミングなどの同種との社会相互作用中に発生することになる快感を産生することが出来る。多くの生理学的研究(参考文献2に概説)にもかかわらず、生体内で体毛を撫でることで快感を検知する分子的に定義された感覚ニューロンは報告されていない。

Conspecifics:同種
grooming毛づくろい; 羽づくろい; グルーミング

Previously, we identified a rare population of unmyelinated sensory neurons in mice that express the G-protein-coupled receptor MRGPRB4 (refs 5, 6). These neurons exclusively innervate hairy skin with large terminal arborizations that resemble the receptive fields of C-tactile (CT) afferents in humans.Unlike other molecularly defined mechanosensory C-fibre subtypes, MRGPRB4(+) neurons could not be detectably activated by sensory stimulation of the skin ex vivo.

以前、私たちはGタンパク質共役受容体MRGPRB4 (refs 5, 6).を発現するマウスで無髄感覚ニューロンの希少集団を同定した。これらのニューロンは、ヒトのC-触覚(CT)求心性神経の受容野と似ている大きな終末分子を有する体毛のみを刺激する。他の分子的定義された機械感覚性C線維のサブタイプとは異なり、MRGPRB4(+)ニューロンは生体外で皮膚の感覚刺激によって検出可能な程度に活性化しなかった。

unmyelinated 無髄の
arborization 分枝
G-protein-coupled receptor:Gタンパク質共役受容体
receptive field 受容野
C-tactile (CT) afferents C-触覚(CT)求心性神経
afferent求心性の,
mechanosensory 機械感覚性

Therefore, we developed a preparation for calcium imaging in the spinal projections of these neurons during stimulation of the periphery in intact mice.Here we show that MRGPRB4(+) neurons are activated by massage-like stroking of hairy skin, but not by noxious punctate mechanical stimulation. By contrast, a different population of C fibres expressing MRGPRD was activated by pinching but not by stroking, consistent with previous physiological and behavioural data.

したがって、私たちは無処置マウスで末梢神経の刺激中にこれらのニューロンの脊髄投射におけるカルシウムイメージングのために製剤を開発した。ここで、MRGPRB4(+)ニューロンが体毛を撫でるようなマッサージによって活性化するが、不快な点状の機械的刺激によっては活性化しなかった。対照的に、MRGPRDを発現するC線維の異なる集団はつねることによって活性化するが、撫でることによっては活性化しなくて、前回の生理学的および行動的データと一致した。

intact mice 無処置マウス
calcium imaging カルシウムイメージング(蛍光色素を用いて細胞質カルシウム濃度を定量化する技術)
spinal projection 脊髄投射

Pharmacogenetic activation of Mrgprb4-expressing neurons in freely behaving mice promoted conditioned place preference, indicating that such activation is positively reinforcing and/or anxiolytic. These data open the way to understanding the function of MRGPRB4 neurons during natural behaviours, and provide a general approach to the functional characterization of genetically identified subsets of somatosensory neurons in vivo.

自由運動をするマウスでMrgprb4発現ニューロンの薬理遺伝学的活性は条件付け嗜好性を促進して、そのような活性は積極的に強化して、または抗不安効果を示した。これらのデータは自然な行動中のMRGPRB4ニューロン機能を理解するための道を開き、生体内で遺伝的に特定された体性感覚ニューロンサブセットの機能的解析への一般的アプローチを提供する。

anxiolytic 抗不安の
freely behaving mice 自由運動をするマウス
pharmacogenetics薬理遺伝学
conditioned place preference 条件付け嗜好性
somatosensory neurons 体性感覚ニューロン

用語
in vivo
http://ja.wikipedia.org/wiki/In_vivo
in vivo(イン・ビボ)の由来はラテン語で、意味は「生体内で」。 in vivoでの実験は各種の条件が人為的にコントロールされていない条件という意味でもあり、このため in vitro と区別される。具体的には細胞内での反応などがこれにあたる。 生化学や分子生物学 ...

受容野
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%97%E5%AE%B9%E9%87%8E
受容野(receptive field)とは、感覚系のニューロンの神経応答(多くの場合、神経発火)に変化を生じるような刺激が提示される空間の領域のことである。受容野は、聴覚系、体性感覚系、視覚系のニューロンで同定されてきた。

体性感覚
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E4%BD%93%E6%80%A7%E6%84%9F%E8%A6%9A

体性感覚とは触覚、温度感覚、痛覚の皮膚感覚と、筋や腱、関節などに起こる深部感覚から成り、内臓感覚は含まない。皮膚感覚が皮膚表面における感覚であるのに対し、深部感覚とは身体内部の感覚を意味する。後者は固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、筋受容器からの伸縮の情報により、身体部位の位置の情報が得られる。

侵害受容器
末梢神経の自由終末であり、組織の侵害・損傷により遊離した発痛物質に反応する。痛みはAδ線維とC線維によって伝えられ、前者は機械受容器でもあり、後者は機械刺激に加え、化学的刺激、熱刺激にも反応する。Aδ線維は温感、C線維は冷感も伝える。痛みには馴化がない。島皮質後部が痛みの中枢と見なされている。

mechanoreceptor 機械受容器

体性感覚における機械受容器は、外部との接触または自己の運動や姿勢の変化によって起こる、圧迫・伸展などの皮膚、筋、腱、関節の変化を検出する細胞である。受容野の広さと刺激に対する応答のなれ(順応)の速さが異なる4種類の細胞がある。

関連ブログ

ゆっくり、愛情ある、“情動性”タッチは健全な自己感覚のかぎになるかもしれない
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2013/11/post-cc77.html

Gタンパク質共役受容体関連ブログ

Gタンパク質共役受容体は精油化学成分の薬理作用に関係するかも?
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2013/02/g-4349.html

匂いを感じる嗅覚の2元性
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2005/12/post_109b.html

|

« シュウーマン共振と陰陽について | Main | アントロポゾフィー(人智学)的ライフスタイルは子供のアトピーを減らすかも? »