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November 20, 2016

皮膚温とバリア機能を結ぶ温度感受性受容体TRPV4

精油勉強会の資料作成で、受容体のことを調べていたら、脂質、不飽和脂肪酸が温度感受性TRPチャンネルのTRPV3・TRPV4を活性化すると出ていました。精油の化学成分のみでなくてキャリアオイルの不飽和脂肪酸もTRPチャンネルに関係していることを知りました。TRPV3・TRPV4の発現部位には皮膚が含まれています。

不飽和脂肪酸とのTRPチャンネルを調べていたら下記の記事に

冬の美肌の敵は、乾燥だけじゃない、温度にもあり
温かい温度で活性化するタンパク質(TRPV4(トリップ・ブイフォー))が皮膚のバリア機能に影響
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/po21r075.pdf
TRPV4を活性化するものは何かと調べてみました。

The TRPV4 cation channel 
A molecule linking skin temperature and barrier function
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3038082/

TRPV4カチオン チャンネル
皮膚温とバリア機能を結ぶ分子

TRPV4 is now considered as a multimodal receptor sensing a variety of stimuli, including artificial and natural substances,20,21 unsaturated fatty acids,22 and mechanical deformation,23–26 as well as temperature.7,24

TRPV4は、人工および天然物質、20,21不飽和脂肪酸、22および機械的刺激、23-26ならびに温度を含む様々な刺激を感知するマルチモード受容体と考えられている.7,24


不飽和脂肪酸のTRPV4カチオン チャンネル活性化のメカニズムを調べていたら下記の記事を見つけました。

Anandamide and arachidonic acid use epoxyeicosatrienoic acids to activate TRPV4 channels.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12879072

アナンダミドおよびアラキドン酸は、エポキシエイコサトリエン酸を用いてTRPV4チャネルを活性化する。

アラキドン酸

n-6系の多価不飽和脂肪酸(ω6脂肪酸)は、リノール酸(C18:2、LA)→γ-リノレン酸(GLA)→ジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)→アラキドン酸(C20:4、AA)に代謝される。

The use of fixed oil rich in polyunsaturated fatty acids(PUFAs) such as linoleic and linolenic acid can assist with inhibiting the formation of prostaglandins and leukotriens thereby producing an anti-inflammatory effect when applied topically. Additionaly, PUFAs are crucial to cellular repair mechanism.

リノール酸およびリノレン酸などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)に富む固定油使用は、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの形成を阻害に役に立ち、それにより局所的に塗布した場合に抗炎症効果を産生します。さらに、多価不飽和脂肪酸(PUFA)は細胞修復機構にとって重要である。

WOUND CARE, International Journal of clinical Aromatherapy(リアノン先生主幹)より

エポキシエイコサトリエン酸
http://jpps.umin.jp/issue/magazine/pdf/0402_01.pdf

アラキドン酸は、シトクロウム450であるCYP2JやCYP2Cによって代謝されると、エポキシ体であるエポキシエイコサトリエン酸が産生する。この代謝物の作用として、すでに降圧作用や抗血小板凝集抑制作用が知られていたが、最近になって、疼痛抑制作用もあることが明らかになっている。

アナンダミド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%9F%E3%83%89

アナンダミド (anandamide) またはアナンダマイドは、アラキドノイルエタノールアミド (arachidonoylethanolamide, AEA) とも呼ばれる、神経伝達物質あるいは脂質メディエーターの一種で、内因性のカンナビノイド受容体リガンド(内因性カンナビノイド)として最初に発見された物質である[1][2]。動物体内にあり、特に脳に多い。快感などに関係する脳内麻薬物質の一つとも考えられるが、中枢神経系および末梢で多様な機能を持っている。構造的にはアラキドン酸に由来するエイコサノイドの一種である[3]。またN-アシルエタノールアミンと見ることもできる。

考えたこと
キャリアオイルの脂肪酸組成を知ることは皮膚に良い効果をもたらすことになるかもしれません。今回の記事で重要なことは不飽和脂肪酸でなくてその代謝物が効果を発揮していることです。精油成分の機能を考えるときに、その成分が体内でどのように代謝するのかを知ることはとても大切です。植物が体に良いとのことでリノール酸を摂取しても体内にそれを代謝する酵素がないと老廃物になってしまいます。

お酒が百薬の長だと飲んでも。飲みすぎると、アルコール分解酵素が少ない日本人は二日酔いになります。酒などのアルコール飲料(一価アルコール・エタノール)が代謝しないと老廃物になり、酸化されるとアルデヒドになり、最後に酢酸になります。二日酔いの原因はこのアルデヒドになります。

代謝物のブログを紹介します。

リモネン体内代謝産物の抗腫瘍作用
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2007/01/post_7c34.html

Identification of metabolites of the antitumor agent d-limonene capable of inhibiting protein isoprenylation and cell growth.

タンパク質のイソプレイン化および細胞増殖を阻害できる抗腫瘍剤d-リモネンの代謝物質の特定


アトピー性皮膚炎体内脂肪酸代謝異常
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2007/01/post_7c34.html

Essential fatty acid metabolism and its modification in atopic eczema

アトピー性皮膚炎における必須脂肪酸代謝およびその改善

海外のアロマセラピストの先生からアトピー性皮膚炎の方はリノール酸が体内代謝で上手くγ-リノレン酸に変換できないために発症するのでγ-リノレン酸の豊富な植物油をとることにより改善するのだと聞いていました。

多価不飽和脂肪酸のγ-リノレン酸(GLA)の多いキャリアオイル

ヘンプオイル(大麻油)、イブニングプリムローズオイル(月見草油)、ボリッジオイル、ブラックカラントオイル

精油およびキャリアオイルのお求めは下記にて
フィトアロマ研究所
http://phytoaroma.ocnk.net/

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