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May 15, 2018

β-カリオフィレンの抗うつ薬様効果におけるモノアミン関与

Monoamine Involvement in the Antidepressant-Like Effect of β-Caryophyllene.

β-カリオフィレンの抗うつ薬様効果におけるモノアミン関与

Monoamine モノアミン

PUBMEDより

CNS Neurol Disord Drug Targets. 2018 Apr 20. doi: 10.2174/1871527317666180420150249.

中枢神経系神経障害薬剤標的ジャーナル

Oliveira DR1, Silva DM1, Florentino IF1, de Brito A1, Fajemiroye JO1, Silva DPB1, da Rocha F2, Costa EA1, De Carvalho PG3.
Author information
1Federal University of Goias - Department of Pharmacology Goiania, Goias. Brazil.
2Departamento de Ciencias Fisiologicas, Instituto de Ciencias Biologicas e da Saude, Universidade Federal Rural do Rio de Janeiro, Seropedica, RJ. Brazil.
3Centro de Ciencias Biologicas e da Saude, Universidade Federal do Oeste da Bahia, Barreiras, BA. Brazil.

Abstract

要旨

This study was conducted to evaluate the antidepressant-like activity of sesquiterpene compound β-caryophyllene (BCP) for the possible contribution of the monoamine and hippocampal levels of brain-derived neurotrophic factor (BDNF). Male albino Swiss mice were subjected to the forced swimming test after acute treatment and to the tail suspension test after repeated treatment. Hippocampal levels of BDNF were assayed by enzyme-linked immunosorbent assay.

この研究は、脳由来神経栄養因子(BDNF)のモノアミンの可能な寄与および海馬レベルに対するセスキテルペン化合物β-カリオフィレン(BCP)の抗うつ薬様作用を評価するために行った。 雄アルビノスイスマウスは急性処置後急性処置後の強制水泳試験および反復処置後尾懸垂試験法を受けた。脳由来神経栄養因子(BDNF)の海馬レベルは酵素結合免疫吸着測定法よって化学分析された。

brain-derived neurotrophic factor (BDNF):脳由来神経栄養因子(BDNF)
Tail suspension test尾懸垂試験法
enzyme-linked immunosorbent assay 酵素結合免疫吸着測定法

The anti-immobility effect of BCP was reverted by pretreatment with inhibitor of catecholamines α-methyl-p-tyrosine (100 mg/kg, i.p.), α-adrenergic antagonist yohimbine (1 mg/kg, i.p.), and β-adrenergic antagonist propranolol (2 mg/kg, i.p.), but not by pretreatment with either α1-adrenergic antagonist prazosin (1 mg/kg, i.p.) or 5-HT1A antagonist NAN-190 (0.5 mg/kg, i.p.), thereby suggesting the involvement of the catecholaminergic system, but not of the 5-HT1A serotonergic receptor, in BCP's antidepressive-like activity. Furthermore, BCP increased BDNF levels in the hippocampus after 14 d of treatment. No treatments in this study altered locomotor activity in the open field test.

β-カリオフィレン(BCP)の抗不動作用は、カテコールアミンα‐メチル‐p‐チロシンの阻害剤、α-アドレナリン遮断薬ヨヒンビン(1 mg/kg, 腹腔内)およびβ-アドレナリン受容体遮断薬プロプラノロールの事前処理よってもとにもどったが、α1-アドレナリン受容体遮断プラゾシンおよびセロトニン受容体拮抗薬NAN-190の前処理では元に戻らなくて、ゆえに、このことはβ-カリオフィレンの抗うつ薬様作用においてセロトニン受容体の関与でなくて、カテコールアミン系の関与を示唆した。さらに、β-カリオフィレン(BCP)は14日治療後海馬の脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させた。この研究での無治療はオープンフィールド試験において自発運動性活性を変化させた。

anti-immobility effect:抗不動効果
catecholamine カテコールアミン
α-methyl-p-tyrosine α‐メチル‐p‐チロシン(メチロシン)
5-HT1A antagonist:セロトニン受容体拮抗薬
セロトニン受容体(セロトニンじゅようたい、英: Serotonin receptor、5-HT receptor)は主に中枢神経系にある受容体の一群である。

α-adrenergic antagonist α-アドレナリン受容体遮断薬
β-adrenergic antagonist β-アドレナリン受容体拮抗薬
NAN-190:選択的5-HTIA受容体拮抗薬
the open field test:オープンフィールド試験(動物の不安関連行動の評価法)
locomotor activity:自発運動活性

This study provides a new mechanism of BCP-induced antidepressant-like effect mediated by the central catecholaminergic neurotransmitter system that could be a candidate for clinical tests of new treatments for depressive disorders.

この研究は、うつ病性障害の新しい治療法の臨床試験の候補となりうる中枢のカテコールアミン性神経伝達物質系によって媒介されるβ-カリオフィレン(BCP)誘発の抗うつ薬様効果の新しいメカニズムを提供する。

catecholaminergic neurotransmitter  カテコールアミン神経伝達物質
depressive disorders.:うつ病性障害

KEYWORDS: β-caryophyllene; Antidepressant-like effect; behavioral test

キーワード:β-カリオフィレン、抗うつ薬様効果、行動試験

用語

モノアミン
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3

モノアミンとはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が2つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系(モノアミン系)は広汎投射神経系としての特徴を有する


尾懸垂試験法 (Tail suspension test) 星薬科大学 薬物治療学教室
http://polaris.hoshi.ac.jp/kyoshitsu/chiryou/kyoushitsu/utsu.html

マウスの尾にテープを貼り付け、そのテープに穴を開けて懸垂用のフックに掛けます。逆さ釣りの状態をマウスは嫌がるので初めは暴れますが、次第にあきらめて無動となります。この状態を"絶望状態"と呼び、10分間中の無動であった時間(無動化時間)を計測します。抗うつ薬は無動化時間を短縮させる(絶望状態にさせない)効果があるので、抗うつ薬のスクリーニング法として用いられています。

プロプラノロール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB

プロプラノロール(英: propranolol)は、β1受容体とβ2受容体を遮断する、アドレナリン作動性効果遮断薬の1つである。経口投与ではほぼ全量が吸収されるものの、肝臓で大部分が分解される初回通過効果の大きな薬剤である。

プラゾシン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%BE%E3%82%B7%E3%83%B3

プラゾシン(Prazosin)は、高血圧や前立腺肥大症の治療に用いられる交感神経遮断薬の一つである。商品名ミニプレス。外国では、不安、PTSD、パニック障害の軽減にも用いられる。交感神経α受容体遮断薬に分類され、α1受容体に特異的に作用する。α1受容体は血管平滑筋(英語版)に存在し、ノルアドレナリンの作用の一つである血管収縮(英語版)作用を司っている。α1受容体は中枢神経系にも存在する[1]。

カテコールアミン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3

カテコールアミン (Catecholamine) とは、一般にチロシンから誘導された、カテコールとアミンを有する化学種である。レボドパや多くの神経伝達物質等(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)及び関連薬物の基本骨格になっている。カテコラミンとも呼ばれる。

小野薬品 チロシン水酸化酵素阻害薬メチロシンを国内申請 開発公募品
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/60819/Default.aspx

メチロシンは、カテコールアミンの産生に関わるチロシン水酸化酵素を阻害することで、その産生を抑制し、カテコールアミンによる高血圧などの循環器症状を軽減する薬剤であり、交感神経遮断薬などでは症状が十分にコントロールできなくなった患者に対して併用されます。


関連する本の紹介

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思いつたこと
今回の文献の翻訳は薬のことが沢山出てきて翻訳が大変でした。そのぶん読みにくいかと思います。一般的にβ-カリオフィレンはカンナビノイド受容体タイプ2(CB2)に結合して抗炎症作用・鎮痛作用を発生させるものと思っていましたが、ここで抗うつ薬様効果もあることを知りました。薬の作用機序を知ることは重要であることで、作用機序が解れば精油の化学成分で置き換えることができないかと思いました。その意味で化学成分と受容体との関係がたいせつになってくるかと思いました。この文献は難しいけどβ-カリオフィレンに抗うつ薬様効果がることが知れたのは収穫です。


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