カモミールジャーマン精油成分α-ビサボロールの抗アミロイド形成作用および抗アポトーシス作用(細胞株実験)
Anti-amyloidogenic and anti-apoptotic effect of α-bisabolol against Aβ induced neurotoxicity in PC12 cells.
PC-12細胞(ラット副腎褐色細胞腫)のアミロイドβタンパク質(Aβ)誘発神経毒性に対するα-ビサボロールの抗アミロイド形成作用および抗アポトーシス作用
Anti-amyloidogenic effect :抗アミロイド形成作用
anti-apoptotic effect 抗アポトーシス作用
α-bisabolol:α-ビサボロール
Aβ induced neurotoxicity アミロイドβタンパク質(Aβ)誘発神経毒性
PC12 cells:PC-12細胞(ラット副腎褐色細胞腫)
PUBMEDより
Shanmuganathan B1, Suryanarayanan V2, Sathya S1, Narenkumar M1, Singh SK2, Ruckmani K3, Pandima Devi K4.
Author information
1
Department of Biotechnology, Alagappa University, Karaikudi 630003, Tamil Nadu, India.
2
Computer Aided Drug Design and Molecular Modeling Lab, Department of Bioinformatics, Alagappa University, Karaikudi 630003, Tamil Nadu, India.
3
National Facility for Drug Development (NFDD) for Academia, Pharmaceutical and Allied Industries, Department of Pharmaceutical Technology, University College of Engineering, BIT Campus, Anna University, Tiruchirappalli 620024, Tamil Nadu, India.
4
Department of Biotechnology, Alagappa University, Karaikudi 630003, Tamil Nadu, India.
Abstract
要旨
Alzheimer's disease (AD) is a life-threatening neurodegenerative disorder leading to dementia, with a progressive decline in memory and other thinking skills of elderly populace. Of the multiple etiological factors of AD,the accumulation of senile plaques (SPs) particularly as Aβ oligomers correlates with the relentlessness cognitive impairment in AD patients and play a vital role in AD pathology.
アルツハイマー病((AD)は高齢者の人々の記憶および他の思考スキルの進行性低下を伴う、認知障害に導く生命を脅かす神経変性疾患である。アルツハイマー病((AD)の複数病的因子のなかで、特にアミロイドβオリゴマーとしての老人斑(SPs)の蓄積はAD患者の苛酷な認知障害と相関し、AD病理において重要な役割を果たす
the multiple etiological factors 複数の病的因子
senile plaques (SPs) 老人斑(SPs)
Aβ oligomers アミロイドβオリゴマー
cognitive impairment 認知機能障害
Since natural essential oil constituents have successfully served as a source of drugs for AD treatment, the present study aims at the in vitro and in silico investigation of anti-amyloidogenic potential and anti-apoptotic property of the α-bisabolol against Aβ25-35 induced neurotoxicity in PC12 cells.
天然精油成分はアルツハイマー病((AD)治療の薬源として成功しているので、本研究は、PC12細胞におけるアミロイドβタンパク質(25-35)誘発神経毒性に対するα-ビサボロールの 抗アミロイド形成の可能性および抗アポトーシス作用のイン・ビトロおよびイン・シリコ研究を目的としている
Aβ25-35 アミロイドβタンパク質(25-35)、
anti-amyloidogenic 抗アミロイド形成
anti-apoptotic property 抗アポトーシス作用
Treatment with α-bisabolol (5 μg/ml) after 24 h incubation with Aβ25-35 reduced the aggregation propensity of Aβ (p < 0.05), as observed by the reduced fluorescence intensity of thioflavin T (ThT). Confocal laser scanning microscopy (CLSM) analysis, Transmission electron microscopy (TEM), Fourier transform infrared (FTIR) spectroscopic analysis and molecular dynamics simulation study also substantiated the Aβ fibril formation hampering ability of α-bisabolol even after 9 days of incubations.
チオフラビンT(ThT)「アミロイド染色」の蛍光強度減少よって観察されるように、アミロイドβタンパク質(25-35)との24時間培養後のα-ビサボロール(5μg/ ml)による処理は、アミロイドβタンパク質(Aβ)の凝集傾向を減少させた(p <0.05)。共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)分析、透過型電子顕微鏡(TEM)、フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析および分子動力学シミュレーション研究も9日間の培養後でさえも、α-ビサボロールのアミロイド β ペプチド(Aβ)線維形成阻害能力を実証した。
thioflavin T チオフラビンT
fluorescence 蛍光
共焦点レーザー走査型顕微鏡(CLSM)
Transmission electron microscopy (TEM) 透過型電子顕微鏡
Fourier transform infrared (FTIR) フーリエ変換赤外分光(FTIR)
molecular dynamics simulation 分子動力学シミュレーション
The results of antiaggregation and disaggregation assay showed an increase in fluorescence intensity in Aβ treated group, whereas the co-treatment of α-bisabolol (5 μg/ml) with Aβ25-35 showed an extensive decrease in the fluorescence intensity, which suggests that α-bisabolol prevents the oligomers formation as well as disaggregates the matured fibrils.
抗凝固および脱凝集アッセイの結果は、Aβ処置群において蛍光強度の増加を示したが、α-ビサボロール(5μg/ ml)とアミロイドβタンパク質(25-35)の同時処理は蛍光強度の大幅な減少を示し、そのことはα-ビサボロールがオリゴマーの形成を妨げるとともに、成熟フィブリルを分解することを示唆している。
FACS analysis of the cells revealed the competency of α-bisabolol in rescuing the PC12 cells from Aβ induced neurotoxicity and chromosomal damage and clonogenic assay,proved its ability to retain the colony survival of cells. Overall, the anti-amyloidogenic and anti-apoptotic effect of α-bisabolol proves that it could be used as an excellent therapeutic drug to combat AD.
細胞のフローサイトメーター装置(FACS)分析は、アミロイドβタンパク質(Aβ)誘発神経毒性、染色体損傷およびクローン形成法からPC-12細胞(ラット副腎褐色細胞腫)のレスキューにおけるα-ビサボロールの能力を明らかにして、細胞のコロニー生存の保持能力を証明した。全体として、α-ビサボロールの抗アミロイド形成および抗アポトーシス作用は、アルツハイマー病(AD)と戦うための優れた治療薬として使用できることを証明している。
antiaggregation 抗凝集
disaggregation 脱凝集
fluorescence intensity 蛍光強度
chromosomal damage 染色体損傷
clonogenic assay クローン形成法
KEYWORDS:
キーワード
Anti-amyloidogenic; Anti-apoptotic; Aβ(25?35) peptide; PC12 cells; α-bisabolol
抗アミロイド、抗アポトーシス;、アミロイドβタンパク質(25-35)ペプチド;、PC12細胞;、α-ビサボロール
用語
PC-12細胞(ラット副腎褐色細胞腫)
http://www.dspbio.co.jp/pdf/square2/neuron.pdf
ラット副腎髄質クロム親和性細胞腫から樹立された細胞株であるPC-12細胞は、神経成長因子(NGF)を作用させることにより、神経突起を伸張して、交感神経細胞様に分化することが知られています。このため、PC-12細胞は、神経細胞における分化機構の解明やNGFの作用機構解明の研究に利用されています。
アミロイドβタンパク質
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%CE%B2%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
アルツハイマー病の病理学的特徴の一つである老人斑の主要構成成分は、アミロイドβタンパク質(Aβ)と呼ばれる40アミノ酸程度のペプチドである。Aβ沈着が病理学的に捉えられる最初期病変であること、Aβが凝集し、直接神経細胞毒性を示しうること、そして家族性アルツハイマー病患者の遺伝学的解析から、Aβの産生および蓄積の異常がアルツハイマー病の発症に深く関係しているという「アミロイドカスケード仮説」が現在広く支持されている。Aβは前駆体タンパク質APPの部分断片であり、βセクレターゼおよびγセクレターゼによる連続した切断によって産生、分泌される。そして細胞外で様々な経路において分解を受ける。したがってセクレターゼ活性の制御やAβ分解経路の活性化はアルツハイマー病治療戦略として重要であると考えられている。
in silico
https://ja.wikipedia.org/wiki/In_silico
in silico(イン・シリコ)は、in vivo (生体内で)や in vitro (ガラス、すなわち試験管内で)などに準じて作られた用語で、文字どおりには「シリコン内で」の意味であり、実際には「コンピュータを用いて」を意味する。バイオインフォマティクスなどの研究で頻繁に見られる表現である。
silico はシリコン(ケイ素)で、コンピュータの半導体にシリコンが使われていることからこのような表現になった。
分子生物学などの実験や測定は通常、ウェット (wet) と呼ばれるように細胞や各種の生体分子を実際に取り扱いながら行われる。それに対して、実験や測定に関連するシミュレーション計算など、実際に対象物を取り扱わず計算で結果を予測する手法を指して in silico と呼ぶ。
チオフラビンT
アミロイドの染色:チオフラビンT染色
http://immuno2.med.kobe-u.ac.jp/20090331-3415/
チオフラビンT(Thioflavine T)染色はアミロイドに対して最も特異性が高い方法である。
染色した標本を蛍光顕微鏡で観察してアミロイドを確認する。
アミロイド線維形成のことを調べていたときにみつけました。
「アミロイド形成の分子機構解明と阻害剤・診断法の開発」
https://www.jst.go.jp/kisoken/sorst/hyouka/2004/pdf/h16_mihara.pdf
研究概要
アルツハイマー病やプリオン病に代表されるアミロイド性疾患の分子機構解明とそれに基づいた新規の阻害機構や診断法開発のための基盤研究を実施することを目的とした。研究代表者独自の人工タンパク質を用いた研究により相同的アミノ酸配列認識機構によるアミロイド線維形成を明らかにし,阻害の機構モデルを提示した。さらにアルツハイマー病アミロイドβタンパク質を研究ターゲットとし,人工ペプチドを用いたアミロイド線維の増幅という世界初の研究手法を開発し,線維の増幅による検出感度向上システムの基盤研究を行った。
Facebookに下記の記事を本日アップしています。
3年前にヒルデガルド修道院に行きました。滞在先のホテルで修道院の朝の鐘の音を録画しました。
https://www.facebook.com/phytoaroma
精油のお知らせ
カモミールジャーマン3ml・精油
http://phytoaroma.ocnk.net/product/201
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