花の香りと昆虫の化学コミュニケ―ションの進化(モノテルペンは防御、芳香族は花粉媒介者誘引)
The evolution of floral scent and insect chemical communication.
花の香りと昆虫化学コミュニケ―ションの進化
PUBMEDより
Ecol Lett. 2010 May;13(5):643-56. doi: 10.1111/j.1461-0248.2010.01451.x. Epub 2010 Mar 10.
Schiestl FP1.
Author information
1Institute of Systematic Botany, Zollikerstrasse 107, University of Zürich, 8008 Zürich, Switzerland. florian.
植物分類学研究所、チューリッヒ大学、スイス
Systematic Botany 植物分類学
Abstract
要旨
Plants have evolved a range of strategies to manipulate the behaviour of their insect partners. One powerful strategy is to produce signals that already have a role in the animals' own communication systems.
植物は昆虫パートナーの行動を操作するためのさまざまな戦略を進化させました。一つの強力な戦略はすでに動物自身の通信システムにおいて役割を果たす信号を産生することです。
To investigate to what extent the evolution of floral scents is correlated with chemical communication in insects, I analyse the occurrence, commonness, and evolutionary patterns of the 71 most common 'floral' volatile organic compounds (VOCs) in 96 plant families and 87 insect families.
どの程度花の香りの進化が昆虫の化学コミュニケーションと相関しているかを調べるために、私は、96の植物科と 87の昆虫科における発生、共通性、および71の最も一般的なの揮発性有機化合物の進化パターンを分析します。
occurrence 発生
volatile organic compounds (VOCs) 揮発性有機化合物
I found an overlap of 87% in VOCs produced by plants and insects. 'Floral' monoterpenes showed strong positive correlation in commonness between plants (both gymnosperms and angiosperms) and herbivores, whereas the commonness of 'floral' aromatics was positively correlated between angiosperms and both pollinators and herbivores.
私は植物および昆虫によって産生される揮発性有機化合物(VOCs)で87%の重複を解明した。花のモノテルペンは植物(裸子植物と被子植物の両方)と草食動物.との共通性において強い正の相関を示したが、花の芳香族の共通性は被子植物と花粉媒介者と草食動物.の両方との間で正の相関をしていた。
positive correlation 正の相関
gymnosperms 裸子植物
angiosperms 被子植物
herbivores 草食動物.
pollinators 花粉媒介者
aromatics 芳香族
According to a multivariate regression analysis the commonness of 'floral' aromatics was best explained by their commonness in pollinators, whereas monoterpenes were best explained by herbivores. Among pollinator orders, aromatics were significantly more common in Lepidoptera than in Hymenoptera, whereas monoterpenes showed no difference among the two orders.
多変量回帰分析によると、花の芳香族は花粉媒介者のそれらの共通性によって最も良く説明できるが、モノテルペンは草食動物.よって最も良く説明できます。花粉媒介者の受粉の中で、芳香族はハチ類よりチョウ目において一般的であるが、モノテルペンは2つの受粉者の中で違いは示さなかった。
multivariate regression analysis 多変量回帰分析
Lepidoptera チョウ目
Hymenoptera ハチ類
Collectively, these patterns suggest that plants and insects converge in overall patterns of volatile production, both for attraction and defence. Monoterpenes seem to have evolved primarily for defence under selection by herbivores, whereas aromatics evolved signalling functions in angiosperms, primarily for pollinator attraction.
まとめると、これらのパターンは、誘引や防衛の両方で、植物や昆虫が揮発性産出の全体的パターンに収束します。モノテルペンは草食動物による選択下で防衛のために主に進化したが、芳香族は主に花粉媒介者誘引のために、被子植物におけるシグナル伝達機能を進化させた。
用語
揮発性有機化合物
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%AE%E7%99%BA%E6%80%A7%E6%9C%89%E6%A9%9F%E5%8C%96%E5%90%88%E7%89%A9
揮発性有機化合物(きはつせいゆうきかごうぶつ、英: Volatile Organic Compounds)は、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称のことである。略称は、VOCs、VOC。
裸子植物
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%B8%E5%AD%90%E6%A4%8D%E7%89%A9
裸子植物 (らししょくぶつ、英語: Gymnosperm、学名:Gymnospermae)は、種子植物のうち胚珠がむきだしになっているものを指す[2]。ソテツ類、イチョウ類、マツ類、グネツム類を含む。
被子植物
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E5%AD%90%E6%A4%8D%E7%89%A9
被子植物(ひししょくぶつ、Angiospermae、Magnoliophyta、Angiosperm)とは、植物の分類の主要な1グループ名[1]。種子植物(顕花植物)のうち、一般に花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進んで、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったものをいう。裸子植物と対をなす分類群である。「被子植物門」、「被子植物類」。
花粉媒介 Pollination - 筑波大学生物学類
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/pollination.html
種子植物において、花粉粒が胚珠または雌しべの柱頭に付着する現象を送粉、受粉、授粉または花粉媒介 (ポリネーション pollination) という。
被子植物では、受粉した花粉粒は花粉管 (pollen tube) を伸ばし、花柱の中を通って子房中にある胚珠の珠孔へ達する。到達した花粉管からは2個の精細胞が雌性配偶体 (胚嚢 embryo sac) へ渡され、1個は卵と、もう1個は中央細胞と合体する。受精した卵は胚に、受精した中央細胞は胚乳 (二次胚乳) になる。被子植物ではこのように2つの受精が起こるので、この現象を重複受精 (double fertilization) とよぶ。裸子植物では花粉粒はむき出しである胚珠の珠孔へ付着し (受粉)、そこで精細胞または精子が雌性配偶体へ渡される。裸子植物では普通卵と精細胞 (または精子) の受精のみが起こり、すでにあった雌性配偶体が胚乳 (一次胚乳) になる。
いずれにしても種子植物では、受粉が有性生殖における必須なステップになっている。動くことのできない種子植物にとって、送粉は種子散布と共に自らの遺伝子を広げる数少ない機会の1つである。種子植物はさまざまな手段によって花粉粒を雌しべまたは胚珠へ運んでいる。
チョウ目
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6%E7%9B%AE
チョウ目(チョウもく、学名:Lepidoptera)は、昆虫類の分類群の一つ。鱗翅目(りんしもく)、またはガ目ともいう。いわゆるチョウやガがここに分類されるが、「ガ」の種類数は「チョウ」の20-30倍で、ガの方が圧倒的に種類数が多い。また鱗粉を持つ翅のある目なため、チョウとガはここでは区別されてはいない。
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