加熱調理動物性脂肪食品(揚げる、焼く、炒める)・人工甘味料→終末糖化産物(AGEs)→アルツハイマー病神経毒性の主要供給源→アルツハイマー病悪化
The Possible Mechanism of Advanced Glycation End Products (AGEs) for Alzheimer's Disease.
アルツハイマー病に対す終末糖化産物(AGEs)の可能性があるメカニズム。
advanced glycation end products 終末糖化産物
PUBMEDより
PLoS One. 2015 Nov 20;10(11):e0143345. doi: 10.1371/journal.pone.0143345. eCollection 2015.
Ko SY1,2, Ko HA3, Chu KH4, Shieh TM5, Chi TC1,2, Chen HI1,2, Chang WC1, Chang SS2.
Author information
Abstract
要旨
Amyloid precursor protein (APP) has been modified by β and γ-secretase that cause amyloid deposits (plaques) in neuronal cells. Glyceraldhyde-derived AGEs has been identified as a major source of neurotoxicity in Alzheimer's disease (AD).
アミロイドβ前駆体タンパク質 (APP)は神経細胞にアミロイド沈着(プラーク)を引き起こすβおよびγのセクレターゼによって修正された。グリセルアルデヒド由来終末糖化産物(AGEs)はアルツハイマー病(AD)における神経毒性の主要な供給源として同定されている。
amyloid deposits アミロイド沈着
Amyloid precursor protein (APP) アミロイドβ前駆体タンパク質 (APP)
secretase セクレターゼ(タンパク質分解酵素)
Glyceraldhyde グリセルアルデヒド
In a previous study, we demonstrated that glyceraldehyde-derived AGEs increase APP and Aβ via ROS. Furthermore, the combination of AGEs and Aβ has been shown to enhance neurotoxicity. In mice, APP expression is increased by tail vein injection of AGEs. This evidence suggests a correlation between AGEs and the development of AD. However, the role played by AGEs in the pathogenesis of AD remains unclear.
以前の研究では、私たちは、グリセルアルデヒド由来終末糖化産物(AGE)が活性酸素種(ROS)を介してアミロイドβ前駆体タンパク質 (APP)およびアミロイドβ蛋白(Aβ)を増加させることを実証した。さらに、終末糖化産物(AGE)とアミロイドβ蛋白(Aβ)の組み合わせは神経毒性を増強することが示されている。マウスで、アミロイドβ前駆体タンパク質 (APP)の発現は終末糖化産物(AGE)の尾静脈注射によって増加した。この証拠は、終末糖化産物(AGEs)とアルツハイマー病(AD)発症との間に相関性を示唆している。
Amyloidβprotein:アミロイドβ蛋白(Aβ)
tail vein injection 尾静脈注射
In this report, we demonstrate that AGEs up-regulate APP processing protein (BACE and PS1) and Sirt1 expression via ROS, but do not affect the expression of downstream antioxidant genes HO-1 and NQO-1. Moreover, we found that AGEs increase GRP78 expression and enhance the cell death-related pathway p53, bcl-2/bax ratio, caspase 3.
本報告書で、私たちは、終末糖化産物(AGEs)が活性酸素種(ROS)を介してアミロイドβ前駆体タンパク質 (APP) プロセシングタンパク質(ベータセクレターゼおよびプレセニリン1)およびサーチュイン遺伝子1発現を上方制御するが下流の抗酸化遺伝子(ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)および下流の抗酸化遺伝子ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)およびNAD(P)Hキノン還元酵素 (NQO1)の発現には影響しないことを実証する。さらに、終末糖化産物(AGEs)はグルコース調節タンパク質78発現を増加させ、細胞死関連経路p53遺伝子、bcl-2遺伝子(細胞死抑制)/bax遺伝子(細胞死促進)比率、カスパーゼ3を増大させることを実証する。
processing protein プロセシング タンパク質
beta-secretase(BACE):ベータセクレターゼ
PS1:presenilin 1 プレセニリン1
プレセニリン1 (presenilin 1, PS1)、プレセニリン
Sirt1:sirtuin サーチュイン遺伝子1
HO-1:Heme oxygenase-1HO):ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1).
NQO-1.:NAD(P)Hキノン還元酵素 (NQO1)
Grp78・glucose-regulated protein 78:グルコース調節タンパク質78
These results indicate that AGEs impair the neuroprotective effects of Sirt1 and lead to neuronal cell death via ER stress. Our findings suggest that AGEs increase ROS production, which stimulates downstream pathways related to APP processing, Aβ production, Sirt1, and GRP78, resulting in the up-regulation of cell death related pathway. This in-turn enhances neuronal cell death, which leads to the development of AD.
これらの結果は終末糖化産物(AGEs)がサーチュイン遺伝子(Sirt1)の神経保護作用を損なって、小胞体(ER)ストレスを介して神経細胞死をもたらすことを示しています。私たちの研究結果は終末糖化産物(AGEs)が活性酸素種(ROS)産生を増加させ、そのことが結果的にアミロイドβ前駆体タンパク質 (APP) プロセシング、サーチュイン遺伝子(Sirt1)、およびグルコース調節タンパク質(GRP)78に関連する下流経路を刺激して、結果的に細胞死関連経路を上方制御した。次に、これは神経細胞死を促進し、アルタハイマー病(AD)発症をもたらします。
downstream pathways 下流経路
Endoplasmic reticulum (ER) stress:小胞体(ER)ストレス
用語
AGEs
https://ja.wikipedia.org/wiki/AGEs
AGEs(エージス、エイジス、エイジズ、エージーイー)とは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、終末糖化産物、後期糖化生成物 等と訳される。タンパク質の糖化反応(メイラード反応)によって作られる生成物の総称であり[1]、身体の様々な老化に関与する物質(より正確に言えば、生体化学反応による生成物)と言える。現在判明しているだけでも、AGEsには数十種類の化合物があり、それぞれが多種多様な化学的性質を有する。AGEsの例としては、Nε-カルボキシメチルリシン(CML)、Nε-カルボキシエチルリシン(CEL)、アルグピリミジンなどが知られている。類似の概念に過酸化脂質に由来する終末過酸化産物(Advanced Lipoxidation End products、ALEs)がある[2]。
AGEsは糖尿病、アテローム性動脈硬化症、慢性腎不全、アルツハイマー型認知症などの変性疾患(英語版)を悪化させると言われる[2]。糖尿病の血管系合併症の原因ともされる。活性酸素による細胞障害を加速し、機能を変化させるという。
グリセルアルデヒド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%92%E3%83%89
グリセルアルデヒド (glyceraldehyde) は、有機化合物で、二価アルコール、アルデヒドの一種。不斉炭素を持つ最も簡単な糖類、アルドースである。分子式 C3H6O3、分子量 90.0779。グリセルアルデヒドはキラルな分子であり、自然界には通常D体が存在する。D-グリセルアルデヒドのCAS登録番号は [453-17-8]。
フルクトースが解糖系に送られる際、肝臓中では酵素の作用を受け解糖中間体であるグリセルアルデヒドに変化する。 有機化合物の立体化学を表す方法のひとつであるDL表記法は、グリセルアルデヒドの構造を基に考える。
生活習慣病の発症・進展におけるToxic AGEs (TAGE) の関与
-新たな予防戦略-
〜食事性AGEsおよび糖毒性の真実〜
http://www.kanazawa-med.ac.jp/koho/tage.pdf
著者らのこれまでの糖化蛋白質に関する研究より,ヒトの体内では図1に示したように色々な経路から様々な終末糖化産物 (advanced glycation end-products, AGEs) が生成してくることが明らかになっている (1-5)。なかでも,ブドウ糖や果糖の代謝中間体であるグリセルアルデヒドに由来するAGEs (glyceraldehyde-derived AGEs, Glycer-AGEs) は,他の経路から生成してくる様々なAGEsと異なって,非常に強い細胞障害性を示すことから, 他のAGEsと区別する意味合いで,「toxic AGEs (TAGE) 」という概念を提唱している (6)。TAGEはAGEs受容体 (receptor for AGEs, RAGE) を介して,糖尿病血管合併症の発症・進展に強く関わっていることを解明してきた (7-10)。最近では,心血管病 (cardiovascular diseases, CVD),非アルコール性脂肪肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis, NASH),がん,不妊症,アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) などの多様な疾患にも関与することが示されており (11),世界に先駆けて生活習慣病の発症・進展における「TAGE病因説」を提唱した
AGE知っていますか?
杏林大学医学部付属病院栄養部
http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/clinic/introduction_nourishment/pdf/1705.pdf
AGEエージーイー終末糖化産物)とはタンパク質と糖が加熱されてできた物質のことをいい、強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています
AGEは食物にも含まれ、特に加熱 調理(揚げる、焼く、炒める)した動物性脂肪食品に多く含まれます。清涼飲料水、菓子類などに使われる人工甘味料は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくりますので控えましょう。
プロセシング
http://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0
タンパク質のプロセシング:生合成されたタンパク質の前駆体が酵素的に切断されて成熟分子に変換されることをいい,タンパク質の輸送・膜透過など細胞内での局在化の過程で生じる場合が多い.(→葉緑体へのタンパク質の移行,トランシットペプチド,シグナルペプチダーゼ)
プレセニリン(Presenilin)
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/Neurosci/Presenilim.html
プレセニリン1 (presenilin 1, PS1)、プレセニリン2 (presenilin 2, PS2)は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子として、1995年に同定された。PS1(第14番染色体)、PS2(第1番染色体)はそれぞれ467、448アミノ酸からなる8回貫通型の膜タンパク質で、両者の構造は非常によく似ており、細胞内では主に小胞体やゴルジ体に局在している。我々は374アミノ酸からなるPS1の新しいアイソフォームを同定したが、これは、通常読まれないはずのエクソン11が挿入されたために起こったフレームシフトと終止コドンによるものであると考えられる。
アルツハイマー病の脳に沈着するAβはその前駆体であるAPPからβ-セクレターゼおよびγ―-クレターゼと呼ばれるプロテアーゼ群によって切り出されてくるが、プレセニリンはそのγ-セクレターゼの活性本体ではないかと考えられている。プレセニリンに異常が起こると、γ-セクレターゼによるAPPの切断位置が2アミノ酸だけC末側にシフトし、正常ではあまり産生されない長いAβが生み出されるようになる。このAβ(Aβ42)は正常のAβ(Aβ40)よりも凝集しやすく脳に沈着しやすい。家族性アルツハイマー病で見られる数多くのプレセニリン変異はいずれも、Aβ42の産生を高めることが知られている。
サーチュイン遺伝子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90
サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子または長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされる。サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質、サーチュイン(英語 Sirtuin)はヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAの結合に作用し、遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられている。この様なサーチュインの作用メカニズムはマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテのグループが1999年に見出した[1]。酵母のSir2遺伝子がヒストン脱アセチル化酵素であることを見出し、この酵素の作用が代謝や遺伝子サイレンシング、加齢に関与していることを示唆した[2]。
サーチュイン遺伝子は寿命や老化以外の作用も研究されている。マサチューセッツ大学の研究チームは、サーチュイン遺伝子の一種であるSIRT1遺伝子を欠損させたマウスで記憶障害が見られ記憶の調節に関与する可能性があり[10]、さらにアルツハイマー病と筋萎縮性側索硬化症の動物モデルで神経変性疾患治療への応用を示唆している[11]。
酸化ストレスとヘムオキシゲナーゼー1 誘導
https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxp/33/0/33_0_16/_article/-char/ja/
酸素を生命活動に利用する生物は、常に発生する活性酸素種に対する防御系を獲得している。これらの防御系は、酵素や機能性タンパク質誘導というシステムを採ることも多い。中でも、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)誘導は、急速に応答する防御系である。HO-1は、ヘムをビリベルジン、一酸化炭素、鉄に分解するが、前者は還元されビリルビンとなる。ビリルビンは、抗酸化作用、一酸化炭素は情報伝達や抗炎症作用、鉄はフェリチン誘導作用があり、HO-1によるヘム代謝物は多彩な生理作用を有する。HO-1は、種々のヒト病態部位で誘導されており、また多くの薬物や化学物質が誘導作用を有している。
NAD(P)Hキノン還元酵素(NQO1)のことを調べていた時に見つけました。
宇宙と老化
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2013/ishioka/02.shtml
宇宙環境は酸化ストレスを上昇、蓄積させる!
太陽放射や電磁放射線(例えばガンマ線など)は生体内でヒドロキシルラジカルなど活性酸素種(ROS)を発生させ、脂質の過酸化を引き起こす連鎖反応を開始させます。ROSは酸化ストレスの主要因で、細胞老化を誘導する原因となります。宇宙環境ストレスによるミトコンドリアでのROS増加に伴う結果とも考えられますが、確かに宇宙飛行したマウスの皮膚を用いたDNAマイクロアレイおよびqRT-PCRの分析結果は、抗酸化に関わる酵素類、特にスーパーオキシドアニオンを過酸化水素に変換するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD3)、過酸化水素を除去するカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)の遺伝子発現が有意に増加していました(図1C)。13日間の短期飛行では大きな差ではありませんでしたが、13週間の長期飛行マウスでの発現が大きく増加していました。さらに、グルタチオン転移酵素(GST)やNAD(P)Hキノン還元酵素(NQO1)、へムオキシゲナーゼ1(HO1)などの抗酸化酵素の遺伝子の発現も増加していました。これらは宇宙長期滞在における酸化ストレスの上昇と蓄積を意味し、細胞老化を引き起こす可能性が高いことを示しています。
p53遺伝子
https://ja.wikipedia.org/wiki/P53%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90
p53遺伝子(ピー53いでんし)とは、一つ一つの細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持ち、細胞ががん化したときアポトーシスを起こさせるとされる。この遺伝子による機能が不全となるとがんが起こると考えられている、いわゆる癌抑制遺伝子の一つ。
1)アポトーシスの解析
大阪大学医学系研究科
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/gene/www/research/project.html
Bcl-2ファミリータンパク質の機能解析
アポトーシスは、幾つかの遺伝子の産物により負の制御を受けている。Bcl-2遺伝子は、1985年にTsujimto & Croceによりがん遺伝子として発見されたが(図1)、細胞死の負の制御因子としての機能を有し、アポトーシスのクリティカルなステップを調節している。細胞死抑制機能を有するため、Bcl-2は、変性疾患の治療への応用の観点からも注目されている。Bcl-2に構造が類似したたんぱくが多数同定されており、これらはBcl-2ファミリーを形成している。機能的には、Bcl-2のようにアポトーシスを抑制するメンバーとBaxなどのようにアポトーシスを促進するメンバーに大別される。
小胞体ストレス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%83%9E%E4%BD%93%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9
小胞体ストレス(しょうほうたいストレス, Endoplasmic reticulum (ER) stress)とは、正常な高次構造にフォールディングされなかったタンパク質(変性タンパク質; unfolded protein)が小胞体に蓄積し、それにより細胞への悪影響(ストレス)が生じることである。
小胞体ストレスは細胞の正常な生理機能を妨げるため、細胞にはその障害を回避し、恒常性を維持する仕組みが備わっている。この小胞体ストレスに対する細胞の反応を小胞体ストレス応答(unfolded protein response:UPR,異常タンパク応答とも)といい、その情報は小胞体ストレスシグナルによって伝達される。変性タンパク質が過剰に蓄積し、小胞体ストレスの強さが細胞の回避機能を越えると、細胞死(アポトーシス)が誘導され、神経変性疾患などさまざまな疾患の原因となると考えられている。
お知らせ
三上杏平先生精油化学講座:製造方法の差で精油成分は異なり、また法的にみて精油はどんな位置づけか?(2018年9月29日・土)のお知らせ
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2018/08/2018929-b30b.html
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