抗しわ治療のためのクスリウコン(Curcuma xanthorrhiza)主要成分キサントリゾールの使用
クスリウコンのキサントリゾールのことを調べていたときに見つけた記事です。クスリウコン(Curcuma xanthorrhiza)主成分キサントリゾールの抗しわ効果は特許になっていて、公表特許公報(A)_皮膚皺改善用キサントリゾールの使用で公表されています。この特許のことを機能性特許と言います。キサントリゾールを使用して抗しわ効果を宣伝する化粧品は登録者以外では発売出来ないです。精油の成分を調べているとこの機能性特許に出会います。また、ある特定の機能性を有する精油ブレンドの特許もあります。いろんな国で精油成分の機能性を研究し、特許を取得しようしています。
Use of xanthorrhizol for anti-wrinkle treatment
https://patents.google.com/patent/WO2008156330A1/en
抗しわ治療のためのキサントリゾール使用
anti-wrinkle:抗しわ
Abstract
要旨
The present invention relates to novel use of an extract of Curcuma xanthorrhiza or xanthorrhizol isolated from the extractand represented by Formula 1. The extract of Curcuma xanthorrhiza and xanthorrhizol of the present invention have activities in suppressing collagen degradation enzyme-1 (MMP-I, matrix metalloproteinase-1) and formation of new collagen (type-1 procollagen), thereby having effect on inhibiting wrinkle. Accordingly, an extract of Curcuma xanthorrhiza or xanthorrhizol of the present -invention may be useful for preventing or treating wrinkle caused by photoaging.
本発明はクスリウコンの抽出物または抽出物からの単離されたキサントリゾール新規な使用に関していてフォーミュラ1で表わされています。クスリウコンの抽出物および本発明のクスリウコンの抽出物およびキサントリゾールはコラーゲン分解酵素-1(MMP-I,マトリックスメタロプロテアーゼ-1の抑制および新コラーゲン(I型プロコラーゲン)の形成において活性を有し、それによってしわを抑制する効果を有する。したがって、本発明のクスリウコンまたはキサントリゾールの抽出物は光老化によって引き起こされるしわを予防または治療するのに有用であり得る
collagen degradation enzyme-1コラーゲン分解酵素-1
type-1 procollagen I型プロコラーゲン
photoaging 光老化
用語
コラーゲン分解に関わる酵素
http://www.cc.kochi-u.ac.jp/~morioka/riyouken/ecmdegenzyme.html
細胞外マトリックスタンパク質は常に作り変えられている
体を構成しているタンパク質は常に作り変えられることは古くから知られていました。しかし、骨や腱など強固な組織に含まれるコラーゲンなどの細胞外マトリックス成分はほとんど代謝されないと考えられてきました。カエルへ変態するおたまじゃくしのしっぽでコラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)が発現し、コラーゲン分解を引き起こしていることが1960年代に発見されました。その後、このコラゲナーゼに似た酵素が、個体発生の様々な過程や出産後の子宮の退縮など、急激に組織が小さくなったり変形したりする部分で働いていることが次々と見つかり、金属イオンを要求する酵素であったことから、マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalloproteinase; MMP)と命名されました。さらにこのMMPの多くがガン細胞の転移などにも関わっていることが明らかにされ、1990年代になって急激に研究が進展しました。
MMPs and TIMPs
http://www.digital-biology.co.jp/allianced/products/biolegend/docs/2015Oct_MMPs%20and%20TIMPs.pdf
MMP-I, matrix metalloproteinase-1マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalloproteinasesMMPs))は、亜鉛イオンを含むエンドペプチダーゼで、カルシウム依存的に細胞外マトリックス(ECM)の分解や組織のリモデリングなどの作用を示します。
MMPは、その他にも、骨成長やモデリング、血管新生及び血管形成、獲得免疫及び自然免疫制御、創傷治癒、細胞遊走、生理活性ペプチドリリース制御、炎症、乳腺退縮、神経突起成長などの重要な生理学的機能を有します。それ故に、異常なMMP発現は、循環器疾患、癌転移、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患、関節炎、炎症性疾患、歯周病などと関連があります。MMP分子は発見の順番にナンバリングされており、各分子の基質によって分類されています。MMPの触媒活性は、遺伝子発現レベルやMMPリリース、酵素前駆体の活性、α2マクログロブリンによる非特異的な抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害因子(TIMP)による特異的な抑制作用などにより、綿密に制御されています。
関連文献
公表特許公報(A)_皮膚皺改善用キサントリゾールの使用
https://biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2010513123.html
クルクマ・キサントリーザ(Curcuma xanthorrhiza)の抽出物及びキサントリゾール(xanthorrhizol)の新たな使用に関する。さらに詳しく言えば、クルクマ・キサントリーザの抽出物または下記化学式1で示されるキサントリゾールを有効成分として含む皮膚皺改善用組成物、前記抽出物または化合物の皮膚皺改善、コラーゲン合成誘導またはコラーゲン分解抑制の使用、及び前記抽出物または化合物のコラーゲン合成を誘導するか、コラーゲン分解を抑制する皮膚皺改善方法に関する。
通常、皺は、長期にわたって繰返される筋肉運動により形成される、皮膚の自然な老化現象の一つである。皮膚老化は、内因性老化と外因的老化とに大別され、内因性老化は遺伝的要因によるものであることから調節が難しいものの、外因的老化は環境的要因によるものであるため、人為的な調節が容易である。従って、外因的老化を防止するための研究が行われ、特に長期間の紫外線露出により進行する外因性光老化に伴う皺形成を防止するための研究が注目されている(Gilchre st B. A., J. Am. Acad. Dermatol., 1989: 21: 610-613:非特許文献1)。
外因性皮膚老化である光老化の臨床的特徴としては、肌が荒く弾力性がなくなり、不規則的な色素沈着が発生し、深い皺の増加がみられる。特に、美容の対象として重要な顔面、頭部等の皺形成には光老化の影響が大きいことが見い出され、抗皺化粧品開発の基礎研究として、ヒトの皮膚や動物モデルを利用した光老化と皺形成に関する研究が活発に行われている。光老化と皺形成に関しては、今まで皮膚の主要成分であるコラーゲン(collagen)の合成及び分解等の基礎的な生理代謝変化を検討した結果が多数報告されている(Lavker R. M., Blackwell science Inc., 1995: 123-135:非特許文献2)。 皮膚老化に影響を及ぼす外部因子としては、風、温度、湿度、煙草の煙、公害、紫外線等が挙げられるが、この中でも特に、紫外線による老化を光老化と言う。多量の紫外線に曝されると、皮膚に高濃度の活性酸素種(reactive oxygen species)が生成し、皮膚の酵素的及び非酵素的抗酸化防御系を崩壊させる。これにより皮膚組織の主な蛋白質であるコラーゲンが著しく減少する。
このコラーゲン減少に重要な影響を及ぼすのがマトリクス・メタロプロテイナーゼ-1(MMP-1,matrix metalloproteinase-1)である。マトリクス・メタロプロテイナーゼ-1(MMP-1)は細胞外基質(extracellular matrix)と基底膜(basement membrane)の分解に関与する酵素であり、紫外線照射により、皮膚内のマトリクス・メタロプロテイナーゼ-1活性が増大し、コラーゲンを著しく崩壊させることにより、マトリクス・メタロプロテイナーゼ-1が真皮層のコラーゲン分解に影響を及ぼして、皺形成に極めて重要な役割をしているとの研究結果等が報告されている(Sim G. S., Kim J. H et al., Kor. J. Biotechnol. Bioeng., 2005: 20(1): 40-45:非特許文献3)。 現在開発されている皮膚皺改善有効成分の一部には、極めて不安定で、皮膚への伝達が容易でないため、特別な安定化システムと伝達体系が必要な化粧品原料としての使用が不可能であるという問題や、皮膚皺の改善効果が明らかでない等の問題がある。従って、近年はレチノイド(retinoid)を含有した皮膚保護剤へと関心が漸次集中されつつある。現在、レチノイドは日光によってできた皺、皮膚の肥厚、垂れ、弾力性減少等の光老化現象を解決する手段として利用されている。しかしながら、レチノイドは極めて不安定な化合物であり、紫外線、水分、熱、酸素に敏感なため、容易に化学変化を起こす問題点を有していることから、これを解決するための天然物由来の有効成分開発に研究が集中している。
ここで、本発明者らは皺改善に効果的に使用できる天然物由来の化合物を長期間探索した結果、クルクマ・キサントリーザ抽出物から単離及び精製したキサントリゾールが、皺改善に卓越した効果を有することを見い出し、本発明を完成させた。Gilchre st B. A., J. Am. Acad. Dermatol., 1989: 21: 610-613Lavker R. M., Blackwell science Inc., 1995: 123-135Sim G. S., Kim J. H et al., Kor. J. Biotechnol. Bioeng., 2005: 20(1): 40-45 従って、本発明の課題は、キサントリゾールまたはクルクマ・キサントリーザの抽出物の新規使用を提供することにある。 前記の課題を解決するために、本発明は化学式1で示されるキサントリゾールを有効成分として含有する皮膚皺改善用組成物を提供する。
さらに、本発明は化学式1で示されるキサントリゾールの皮膚皺改善用製剤、コラーゲン合成誘導剤、またはコラーゲン合成抑制剤の製造のための使用を提供する。 さらに、本発明は化学式1で示されるキサントリゾールを、それらを必要とする個体に有効量を塗布または投与することを特徴とする皮膚皺改善方法、コラーゲン合成誘導方法、またはコラーゲン合成抑制方法を提供する。 さらに、本発明はクルクマ・キサントリーザ抽出物を有効成分として含有する皮膚皺改善用組成物を提供する。 さらに、本発明はクルクマ・キサントリーザ抽出物の皮膚皺改善用製剤、コラーゲン合成誘導剤、またはコラーゲン合成抑制剤の製造のための使用を提供する。
さらに、本発明はクルクマ・キサントリーザ抽出物を、それらを必要とする個体に有効量を塗布または投与することを特徴とする皮膚皺改善方法、コラーゲン合成誘導方法、またはコラーゲン合成抑制方法を提供する。 前述の通り、本発明のクルクマ・キサントリーザ抽出物またはキサントリゾールは、皺形成と関連した重要要素であるコラーゲン分解酵素-1(MMP-1,matrix metalloproteinase-1)の発現を抑制することにより、コラーゲンの分解を抑制し、新生コラーゲン(タイプ-1・プロコラーゲン;type-1 procollagen)の生成を促進させ、光老化による皺を改善する効果がある。
従って、本発明のクルクマ・キサントリーザ抽出物とキサントリゾールは光老化による皺改善の治療または予防に極めて有用に使用できる。本発明のクルクマ・キサントリーザ(Curcuma xanthorrhiza)抽出物によるコラーゲン分解酵素-1抑制活性を示したグラフである。本発明のクルクマ・キサントリーザ(Curcuma xanthorrhiza)抽出物によるコラーゲン合成能を示したグラフである。本発明のキサントリゾール(xanthorrhizol)によるコラーゲン分解酵素-1抑制活性を示したグラフである。本発明のキサントリゾール(xanthorrhizol)によるコラーゲン合成能を示したグラフである。
用語
機能性化粧品の特許について調べていたときに見つけた記事
尚、キサントリゾールは『独自成分の特許』の特許になります。
化粧品特許侵害訴訟の行方(2) ファンケルVSDHC、他人任せの製品開発、スピード重視、リスク生む
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2012/06/vs-2.html
化粧品業界は特許が多い。画期的な成分の開発が容易でない中、各社、成分・技術の組み合わせで独自機能を持つ製品を開発。差別化を図っているためだ。特許庁によると、その特許は、「機能性を持つ『独自成分の特許』と、ある成分の機能をよりよく発揮するための『製剤設計に関する特許』に大別される」という。今回、特許侵害が認められたクレンジングに関わる特許は後者になる。
お知らせ
Jaa感謝祭「いやしの祭典」
いやしの祭典2018 in 東京に出店
https://www.facebook.com/events/581305188892453/?active_tab=discussion
2018年11月10日土曜日 10:30〜17:00
秋葉原udxギャラリー
東京都 千代田区
三上杏平先生精油化学講座:アロマテラピーのための精油の化学入門(2018年11月3日・土)のお知らせ
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/
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