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January 22, 2019

カンナビノイド2型(CB2) 受容体活性化はパーキンソン病のロテノンモデルにおける酸化ストレスおよびドーパミン作動性神経変性に関連する神経炎症に対して保護する。

Cannabinoid Type 2 (CB2) Receptors Activation Protects against Oxidative Stress and Neuroinflammation Associated Dopaminergic Neurodegeneration in Rotenone Model of Parkinson's Disease

カンナビノイド2型(CB2) 受容体活性化はパーキンソン病のロテノンモデルにおける酸化ストレスおよびドーパミン作動性神経変性に関連する神経炎症に対して保護する。

neuroinflammation 神経炎症
Dopaminergic Neurodegeneration ドーパミン作動性神経変性

PUBMEDより

Front Neurosci. 2016; 10: 321.

Hayate Javed,1 Sheikh Azimullah,2 M. Emdadul Haque,1,* and Shreesh K. Ojha2,*

.Author information

Abstract

要旨

The cannabinoid type two receptors (CB2), an important component of the endocannabinoid system, have recently emerged as neuromodulators and therapeutic targets for neurodegenerative diseases including Parkinson's disease (PD).

内在性カンナビノイドシステムの重要な構成要素であるカンナビノイド型の2つの受容体はパーキンソン病(PD)を含む神経変性疾患に対する神経修飾物質および治療標的として最近現れた。

endocannabinoid 内在性カンナビノイド
neuromodulators 神経修飾物質
neurodegenerative diseases 神経変性疾患

The downregulation of CB2 receptors has been reported in the brains of PD patients. Therefore, both the activation and the upregulation of the CB2 receptors are believed to protect against the neurodegenerative changes in PD.

カンナビノイド2型受容体の下方制御はパーキンソン病患者脳において報告されている。したがって、カンナビノイド2型受容体の活性化および上方制御の両方はパーキンソン病における神経変性の変化に対して保護すると考えられている。

downregulation 下方制御
upregulation  上方制御

In the present study, we investigated the CB2 receptor-mediated neuroprotective effect of β-caryophyllene (BCP), a naturally occurring CB2 receptor agonist, in, a clinically relevant, rotenone (ROT)-induced animal model of PD. ROT (2.5 mg/kg BW) was injected intraperitoneally (i.p.) once daily for 4 weeks to induce PD in male Wistar rats.

本研究では、私たちは臨床的に関連するロテノン(ROT)誘発パーキンソン病PD動物モデルにおいて、天然に存在するCB 2受容体作動薬であるβ-カリオフィレン(BCP)のCB 2受容体を介した神経保護作用を調べた。雄ウィスターラットにおいてパーキンソン病PDを誘発するためにロテノン(2.5 mg/kg BW)を4週間1日1回腹腔内(i.p.)注射した。

a clinically relevant  臨床的に関連する

ROT injections induced a significant loss of dopaminergic (DA) neurons in the substantia nigra pars compacta (SNpc) and DA striatal fibers, following activation of glial cells (astrocytes and microglia).ROT also caused oxidative injury evidenced by the loss of antioxidant enzymes and increased nitrite levels, and induction of proinflammatory cytokines: IL-1β, IL-6 and TNF-α, as well as inflammatory mediators: NF-κB, COX-2, and iNOS.

ロテノン注射は、グリア細胞(アストロサイトおよびミクログリア)の活性化後に、黒質緻密部(SNpc)およびドーパミン作動性(DA)線条体線維においてドーパミン作動性(DA)ニューロンの有意な喪失を誘発した。また、ロテノンは、抗酸化酵素の損失、亜硝酸塩レベル増加、および炎症性サイトカイン;インターロイキン1β、インターロイキン6および腫瘍壊死因子-α、ならびに炎症メディエーター: 核内因子κB、シクロオキシゲナーゼ-2、および誘導型一酸化窒素合成酵素によって証明される酸化損傷を引き起こした。

striatal fibers 線条体繊維
astrocytes:アストロサイト, 星状膠細胞
Microgliaミクログリア 小膠細胞
substantia nigra pars compacta (SNpc)黒質緻密部(SNpc)
oxidative injury 酸化損傷
nitrite 亜硝酸塩
inflammatory mediators:炎症メディエーター
NF-κB:nuclear factor-kappa B:エヌエフ・カッパー・ビー、核内因子κB、
iNOS=inducible nitric oxide synthase誘導型一酸化窒素合成酵素

However, treatment with BCP attenuated induction of proinflammatory cytokines and inflammatory mediators in ROT-challenged rats. BCP supplementation also prevented depletion of glutathione concomitant to reduced lipid peroxidation and augmentation of antioxidant enzymes: SOD and catalase.

けれども、β-カリオフィレンによる治療は、ロテノンに見舞われたラットにおいて炎症性サイトカインおよび炎症メディエーターの誘導を減弱させた。また、β-カリオフィレン補給は脂質過酸化反応減少および抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼSODおよびカタラーゼ)の増大に伴うグルタチオンの枯渇を防止した。

glutathione グルタチオン
lipid peroxidation 脂質過酸化反応
antioxidant enzymes 抗酸化酵素
SOD(Superoxide dismutase, SOD)スーパーオキシドディスムターゼ
proinflammatory cytokines 炎症性サイトカイン

The results were further supported by tyrosine hydroxylase immunohistochemistry, which illustrated the rescue of the DA neurons and fibers subsequent to reduced activation of glial cells.Interestingly, BCP supplementation demonstrated the potent therapeutic effects against ROT-induced neurodegeneration, which was evidenced by BCP-mediated CB2 receptor activation and the fact that, prior administration of the CB2 receptor antagonist AM630 diminished the beneficial effects of BCP.

結果は、グリア細胞活性化の低下の後で、ドーパミン作動性神経細胞および線維の救済を例証するチロシンヒドロキシラーゼ免疫組織化学によってさらに支持された。興味深いことに、β-カリオフィレン補給はロテノン誘発神経変性に対する強力な治療効果を示し、そのことはβ-カリオフィレン媒介CB 2受容体活性化およびCB 2受容体拮抗薬AM630の事前投与がβ-カリオフィレンの有益な効果を減少させるという事実によって証明された。

Tyrosine hydroxylaseチロシンヒドロキシラーゼ
immunohistochemistry 免疫組織化学
prior administration 事前投与

The present study suggests that BCP has the potential therapeutic efficacy to elicit significant neuroprotection by its anti-inflammatory and antioxidant activities mediated by activation of the CB2 receptors.

本研究は、β-カリオフィレンがCB 2受容体の活性化によって媒介される抗炎症および抗酸化作用により有意な神経保護を引きだす可能性ある治療効果を有することを示唆する。

Keywords: AM630, β-caryophyllene, cannabinoid agonist, neurodegeneration, neuroprotection, Parkinson's disease, rotenone, Trans-caryophyllene

AM630:CB 2受容体拮抗薬、β-カリオフィレン、カンナビノイド作動薬、神経変性、神経保護、パーキンソン病、ロテノン、
トランスカリオフィレン

用語

カンナビノイド
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89

大麻(アサ(cannabis sativa)の未熟果穂を含む枝先および葉)に含まれる炭素数21の化合物群をカンナビノイドという。主要なカンナビノイドは、強い中枢作用を有する△9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、中枢作用はないが強い抗痙攣作用や薬物代謝酵素阻害作用を有するカンナビジオールおよびそれらの酸化成績体のカンナビノールである。THCは、マリファナを摂取すると、時間感覚・空間感覚の混乱、多幸感、記憶の障害、痛覚の低下、幻覚などの精神神経反応を誘発する。カンナビノイド受容体として、7回膜貫通、Gタンパク質(Gi/Go)共役型のCB1受容体とCB2受容体の2つがある。CB1受容体は脳などで多量に発現しており、神経伝達の抑制的制御に関与していると考えられている。一方、CB2受容体は脾臓や扁桃腺など、免疫系の臓器や細胞に多く発現しており、炎症反応や免疫応答の調節に関与していると考えられている。内在性のリガンドとして最初に単離されたN-アラキドノイルエタノールアミン(アナンダミド)は、カンナビノイドレセプターの弱い部分アゴニストである。その後発見された2-アラキドノイルグリセロールが、カンナビノイドレセプターの生理的なリガンドと考えられている。(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)(2014.7.更新)

ロテノン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%86%E3%83%8E%E3%83%B3

ロテノン (rotenone) は無臭の化合物で、フェニルプロパノイドの一種である。殺虫剤・殺魚剤・農薬として広く効果を持つ。天然にはある種の植物の根や茎に含まれる。ラットに投与するとパーキンソン症候群の原因となる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[1] 。

黒質
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E8%B3%AA

黒質(こくしつ substantia nigra = ラテン語で「黒い物質」の意)は中脳の一部を占める神経核である。黒質は、緻密部と、網様部(および外側部)とによって、大きく二群に大別されるが、いずれも大脳基底核を構成する中心的な要素である。

黒質緻密部 (こくしつちみつぶ substantia nigra pars compacta)は、ヒトにおいて、ニューロメラニン色素を含有するニューロンが多く存在しているため黒色を帯びているが、加齢と共にニューロメラニンの量が減少する。ニューロメラニンはドーパ(ヒドロキシフェニルアラニン)が重合したもので、ニューロメラニンの色素沈着は、明瞭な黒い斑として脳切片上で認めることができ、黒質という名前の起源となっている。多くのニューロンはドーパミン作動性であり(A9細胞集団[1])、とりわけ太く長い樹状突起をもち、腹側方向へ延びる樹状突起は境界を越えて網様部の中へ深く侵入している。

チロシンヒドロキシラーゼ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%92%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC

チロシンヒドロキシラーゼ(Tyrosine hydroxylase、EC 1.14.16.2)、チロシン 3-モノオキシゲナーゼ(tyrosine 3-monooxygenase)は、チロシンをジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)に変換する酵素である。DOPAはノルアドレナリンとアドレナリンの前駆体であるドーパミンの前駆体である。

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