« 病気はどのように発症するかの理解(2) | Main | 直接脳への鼻腔内薬物送達メカニズム »

March 23, 2019

神経膠腫(グリオーマ )治療に対する鼻腔内ペリリルアルコール:分子メカニズムおよび臨床開発

Intranasal Perillyl Alcohol for Glioma Therapy: Molecular Mechanisms and Clinical Development
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6321279/
神経膠腫(グリオーマ )治療に対する鼻腔内ペリリルアルコール:分子メカニズムおよび臨床開発
intranasal 鼻腔内
perillyl alcohol ペリリルアルコール
Glioma: :神経膠腫(グリオーマ )
PUBMEDより
Int J Mol Sci. 2018 Dec; 19(12): 3905.
Published online 2018 Dec 6. doi: 10.3390/ijms19123905
Thomas C. Chen,1,* Clovis O. da Fonseca,2 and Axel H. Schönthal3,*
Abstract
要旨
Intracranial malignancies, such as primary brain cancers and brain-localized metastases derived from peripheral cancers, are particularly difficult to treat with therapeutic agents, because the blood-brain barrier (BBB) effectively minimizes brain entry of the vast majority of agents arriving from the systemic circulation.Intranasal administration of cancer drugs has the potential to reach the brain via direct nose-to-brain transport, thereby circumventing the obstacle posed by the BBB.
血液脳関門(BBB)は体循環から到来する大半の薬剤の侵入を最小にするので、原発性脳腫瘍および脳に限局している転移などの頭蓋内悪性腫瘍は特に治療薬で治療するのが難しい。抗がん剤の鼻腔内投与は鼻から脳への直接輸送を介して脳に到達する可能性があり、それによって、血液脳関門(BBB)によってもたらされる障害を回避する。
intracranial 頭蓋内
malignancies 悪性腫瘍
primary brain cancer 原発性脳腫瘍
metastases 転移
peripheral cancer 末梢性がん
therapeutic agents 治療薬
blood-brain barrier (BBB) 血液脳関門(BBB)
systemic circulation 体循環
cancer drug 抗がん剤
However, in the field of cancer therapy, there is a paucity of studies reporting positive results with this type of approach. A remarkable exception is the natural compound perillyl alcohol (POH). Its potent anticancer activity was convincingly established in preclinical studies, but it nonetheless failed in subsequent clinical trials, where it was given orally and displayed hard-to-tolerate gastrointestinal side effects.
しかしながら、がん治療の分野において、この種のアプローチで肯定的結果を報告する研究は不足している。注目すべき例外は、天然化合物ペリリルアルコール(POH)です。その強力な抗がん作用は前臨床試験で説得力をもって確立されたが、それにもかかわらず、それはその後の臨床試験では失敗した。それは経口投与されて、耐えられないほどの胃腸の副作用を示した。
Intriguingly, when switched to intranasal delivery, POH yielded highly promising activity in recurrent glioma patients and was well tolerated. As of 2018, POH is the only intranasally delivered compound in the field of cancer therapy (outside of cancer pain) that has advanced to active clinical trials. In the following, we will introduce this compound, summarize its molecular mechanisms of action, and present the latest data on its clinical evaluation as an intranasally administered agent for glioma.
興味深いことに、鼻腔内投与に切り替えたときに、ペリリルアルコール(POH)は再発性神経膠腫患者において極めて有望な活性をもたらし、そして十分に許容された。2018年現在、ペリリルアルコール(POH)は積極的に臨床試験へと進んでいるがん治療(がん疼痛以外)の分野で鼻腔内投与される唯一の化合物です。以下では、私たちはこの化合物を紹介し、その分子作用機構を要約し、神経膠腫の鼻腔内投与薬としての臨床評価に関する最新のデータを提示します。
recurrent glioma patients 再発性神経膠腫患者
molecular mechanisms of action 分子作用機構
Keywords: intranasal, perillyl alcohol, temozolomide
キーワード:鼻腔内、ペリリルアルコール、テモゾロミド
用語
ペリリルアルコール(POH)は紫蘇精油に5.4%含まれています。
紫蘇精油
学名:Perilla frutescens
科名:シソ科
抽出部位:葉と花穂
(―) Perillaldehyde (―) ペリルアルデヒド(86.8%)
Perilly alcohol ペリリルアルコール(5.4%)
Linalool リナロール(1.6%)
Second edition Essential Oil Safetyより
神経膠腫(グリオーマ)
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/glioma/tumor/glioma.html
脳腫瘍は、最新の病理学的分類によると100種類以上あります2)。脳腫瘍は大きく良性と悪性に分けられ、そのいずれであるかによって治療戦略が変わってきます。
良性脳腫瘍の場合は、手術の果たす役割が大きく、完全に摘出できれば完治が期待できます。一方、悪性脳腫瘍の場合は手術だけではなく、放射線治療と化学療法も重要です。
脳と脊髄には神経細胞と神経線維以外に、それらを支持する神経膠細胞があり、この神経膠細胞から発生する腫瘍を総称して神経膠腫(グリオーマ )といいます。
脳腫瘍とは
http://team.tokyo-med.ac.jp/nou/neuro/disease01.html
脳腫瘍とは文字通り「脳および髄膜に発生した新生物(できもの、腫瘍)」のことです。頭蓋骨の下には、脳を覆っている髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)があり、その髄膜で覆われているのが脳です。脳腫瘍とは頭蓋骨の中に発生した新生物をすべて含んだ名称です。
]
 脳腫瘍は頭蓋骨の中のどの細胞から発生したかによって、7つの群に大きく分けられ、さらにその腫瘍を構成している細胞群の配列、細胞の形、増殖能力などによって更に細分類され、現在は133種類の脳腫瘍がWHO(World Health Organization:世界保健機構)によって登録されています。
 脳腫瘍には頭蓋内の細胞から発生した「原発性脳腫瘍」と、脳以外の身体の部分で発生したがんが脳に転移した「転移性脳腫瘍」があります。一般に脳腫瘍と言った場合は「原発性脳腫瘍」を示すことが多い様です。

 脳腫瘍には良性と悪性があり、前述のWHO脳腫瘍分類にて明確に定義されています。一般に脳実質内から発生する腫瘍(髄内腫瘍)は悪性のものが多く、髄膜、末梢神経、血管などから発生する腫瘍(髄外腫瘍)は良性のものが多いという傾向があります。
テモゾロミド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A2%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%83%89
テモゾロミド(Temozolomide)は経口投与可能な抗がん剤である。商品名テモダール。アルキル化剤に属し、初発・再発の星状細胞腫(膠芽腫等)の悪性度の高い脳腫瘍の治療に用いられるほか、海外では悪性黒色腫の治療にも用いられる。 また承認外用法として乏突起神経膠腫の治療に、旧来の忍容性の低いPCV療法(プロカルバジン、ロムスチン、ビンクリスチン)の代わりに用いられている国もある。
お知らせ
三上杏平先生精油化学講座:「植物の二次代謝とその代謝物の薬理効果」(2019年4月13日・土)のお知らせ
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2019/03/2019413-e73b.html

|

« 病気はどのように発症するかの理解(2) | Main | 直接脳への鼻腔内薬物送達メカニズム »