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October 24, 2019

嗅脳はどのように記憶に影響するか Science dailyより

8月から香りの健康ライブラリーで外池光雄先生による香りのコンシェルジュ養成講座基礎編「香りのサイエンスー匂い・香りとヒトの脳」を受講しています。先日、脳の進化論と嗅脳と匂い・香りの記憶と情動の関係を部勉強しました。匂いの伝わる仕組みは→嗅内野→海馬→記憶になります。アルツハイマー病は匂いの入り口である嗅内野の嗅神経がダメージを受けためです。また、嗅内野には喜怒哀楽に関係する扁桃核があり情動に、海馬は記憶に関係します。下記の文献で匂いの刺激が海馬の反応を引き起こしますので記憶に影響します。嗅内野と海馬には情報の入力と出力の機能を有しています。脳について新しいことを学んでいます。

How the olfactory brain affects memory
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/04/190429125422.htm

嗅脳はどのように記憶に影響及ぼすか

olfactory brain 嗅脳

How sensory perception in the brain affects learning and memory processes is far from fully understood. Two neuroscientists of Ruhr-Universit?t Bochum (RUB) have discovered a new aspect of how the processing of odours impacts memory centres. They showed that the piriform cortex -- a part of the olfactory brain -- has a direct influence on information storage in our most important memory structure, the hippocampus. Dr. Christina Strauch and Professor Denise Manahan-Vaughan report about their findings in the online edition of the magazine Cerebral Cortex on 9 April 2019.

脳の知覚が学習および記憶プロセスにどのように影響するかは完全に理解されていないです。ルール大学ボーフムの神経科学者らは、どのように匂いの処理が記憶中枢に影響するかについての新たな側面を発見した。彼らは、嗅脳の一部である梨状皮質が最も重要である記憶構造・海馬における情報蓄積に直接影響を与えることを示した。クリスティーナ・ストラウク博士とデニス・マナハン・バーン教授は、2019年4月9日の雑誌大脳皮質のオンライン版で研究結果について報告しています。

Ruhr-Universitaet-Bochum ルール大学ボーフム
memory centres 記憶中枢
piriform cortex 梨状皮質(
memory structure 記憶構造
cerebral cortex 大脳皮質

Electric impulses simulate odours

電気インパルス匂いを刺激

To find out how odours affect memory formation, the researchers triggered an artificial perception of an odour in the brains of rats. To do this, they stimulated the piriform cortex with electrical impulses. "We were very surprised to see that the hippocampus directly responds to stimulation of the piriform cortex," remarked Christina Strauch.

匂いが記憶形にどのように影響するかを解明するために、研究者らはラットの脳に匂いで人為的知覚を引き起こした。これを行うために彼らは電気インパルスで梨状皮質を刺激しました。「海馬が梨状皮質の刺激に直接反応することを見て、私たちは非常に驚いた」とクリスティーナ・ストラウクは述べた。

The hippocampus uses sensory information to create complex memories. The basis of this processes is its ability to increase the efficacy of information transmission across synapses and thereby store memory contents. This process is called synaptic plasticity. Manahan-Vaughan and Strauch were the first to show that stimulation of the anterior piriform cortex triggers synaptic plasticity in the hippocampus.

海馬は感覚情報を用いて複雑な記憶を作成します。このプロセスの基本は、シナプス全体の情報伝達の効率を高め、それによって記憶の内容を保存する能力です。

このプロセスはシナプス可塑性と呼ばれています。マナハン・ボーンとストラウクは、前梨状皮質の刺激は海馬のシナプスの可塑性を引き起こすことを最初に示した人です。
synaptic plasticityシナプス可塑性

Special role for olfaction
嗅覚に対する特別な役割

In a second step, the researchers examined to what extent the piriform cortex competes with the entorhinal cortex in driving hippocampal synaptic plasticity. This structure sends information about activity in all sensory modalities to the hippocampus. Activating the afferent pathway of this structure, called the perforant path, triggered completely different reaction patterns in the hippocampus, to those generated by the piriform cortex. "The study gives us a theoretical basis for understanding how olfaction plays such a special role in memory formation and retrieval," commented Denise Manahan-Vaughan.

第二段階で、研究者は海馬のシナプス可塑性を駆動するにおいて、梨状皮質が嗅内野とどの程度競合するかを調べました。この構造は全ての感覚モダリティ(一般的に五感)の活動に関する情報を海馬に送信します。貫通線維と呼ばれるこの構造の求心路を活性化することは、梨状皮質によって生成されたものとは完全に異なる反応を引き起こした。この研究は、嗅覚がどのように記憶の形成と検索において特別な役割を果たすかを理解するための理論的基礎を与えてくれます」とデニス・マナハン・バーンはコメントしました。

entorhinal cortex 嗅内野
afferent pathway 求心路
perforant path 貫通線維
theoretical basis 理論的根拠

The two scientists have been working together since 2010 to investigate how odours cause memory formation.

2人の科学者は、匂いがどのように記憶形成を引き起こすかを調査するために2010年から一緒に研究しています。

用語

*嗅脳を調べていた時に見つけました。
第12章 音楽と脳の進化 ハリー・ジェリソン
http://ninreki.org/Capter12.html
嗅脳(Rhinencephalon、Olfactory brain)
  嗅脳は広義では嗅覚の受容と連合に関係したすべての脳部を含む。嗅葉を除いた広義の嗅脳の大部分は辺縁系と呼ばれる。これは梁下野、嗅脳後部、帯状回、海馬傍回、海馬、歯状回、扁桃体などを含み、本能や情動行動などに関係した脳部で、その大部分はヒトでも発育している。

 狭義の嗅脳はほぼ前頭葉下面に限局し、前後の2部に区別され、前部は嗅葉:嗅球(2)、嗅索(3)、嗅三角(4)と梁下野(9)からからなる。後部は嗅三角の後方で視交叉より前方にある狭い部分で、前有孔質(7)と終板傍回(10)からなる。


*嗅内野  脳科学事典
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%97%85%E5%86%85%E9%87%8E
語名:entorhinal cortex

同義語:嗅内皮質

嗅内野は内側側頭葉記憶システムの構成要素として宣言的記憶機能に関わる。皮質と海馬の間に見られる入出力のほとんどは嗅内野を介して行われる。嗅内野はオブジェクト情報と空間情報の両方に関わるが、現在のところ、空間情報処理やナビゲーションに関わる神経メカニズムについての研究が進んでいる。嗅内野はまたアルツハイマー病の病変が初期の段階から観察される領域として知られている。

位置と細胞構築

嗅内野は側頭葉にある皮質領域で、主にブロードマンの脳地図の28野にあたる。霊長類では側頭葉前部の内側領域に位置し、嗅脳溝の内側部分を占める(図1)[1]。嗅内野は外側と内背側においてそれぞれ嗅周野(perirhinal cortex)と海馬台(subiculum)と接し、尾側で海馬傍皮質(parahippocampal cortex)と接する。嗅内野は細胞構築学的には不等皮質(allocortex)と呼ばれる、第4層を欠く無顆粒皮質(agranular cortex)である。げっ歯類では嗅内野は側頭葉後部、嗅脳溝の腹側部分を占める(図1)。
結合

 嗅内野の浅層から海馬体(hippocampal formation)へ投射される軸策線維を貫通線維(perforant path)と呼ぶ[2]。貫通線維の内、第2層から投射されるものは主に歯状回(dentate gyrus)とCA3領域に、第3層から投射されるものはCA1領域と海馬台にそれぞれ結合する。嗅内野の浅層が海馬体に入力信号を与える一方で、嗅内野の深層(第5層)は海馬体の海馬台とCA1領域からの出力を受け取る。嗅内野と皮質の主な結合については、サルの場合は海馬傍皮質脳梁膨大後部皮質(retrosplenial cortex)からの入力が尾側に、嗅周野からの入力が吻側に与えられる。げっ歯類では梨状皮質(piriform cortex)からの入力が嗅内野全体で最も強い。梨状皮質は嗅覚に関わる。梨状皮質に次いでは、嗅内野の外側領域では主に嗅周野と島皮質(insular cortex)、そして前頭皮質(frontal cortex)から、内側領域では帯状皮質(cingulate cortex)や後部視覚野からの入力が見られる。これら皮質からの入力は嗅内野の浅層に届き、嗅内野から皮質領域に対する出力は深層より投
射される。

*感覚モダリティ
 
[sensory modality]
https://imidas.jp/genre/detail/L-104-0071.html

感覚様相のこと。一般的に五感といわれる、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚(触覚、痛覚、温覚、冷覚)に加え、運動感覚、平衡感覚、内部感覚がある。また、感覚受容器を特定できない感覚を「第六感」と呼ぶことがある。幻覚も感覚モダリティの種類により、幻視、幻聴、幻臭、体幻感覚などに分類される。睡眠中にみる夢にも、その人が日常よく使用する感覚モダリティが現れやすい。

海馬と嗅内野のことを調べていた時に見つけました。脳の海馬-嗅内皮質[2]間で同期することが、動物が空間的な作業記憶(ワーキングメモリ)[3]を正しく読み出し、実行するために重要な役割を果たしていることを発見しました。

情報の入り口である嗅内野の障害は記憶の障害に関係してくようです。

*海馬-嗅内皮質間の同期性は記憶を意識的な行動へ変換する過程に重要  理化学研究所
-「メタ認知」を支える神経回路メカニズムをマウスで立証-
https://www.riken.jp/press/2014/20140425_1/

ポイント
海馬-嗅内皮質間の高周波ガンマ波の同期は作業記憶の呼び出しに重要
動物が間違いに気づく瞬間に、高周波ガンマ波の同期が発生
高周波ガンマ波の同期が主観的な意識に関わる可能性を示唆


*香りと記憶について調べているときに見つけた文献。

下記の文献によると記憶を固定するために海馬と嗅皮質において同じ鋭波が出ていることは同期していることを意味してかもしれない。上記の海馬-嗅内皮質間の高周波ガンマ波の同期と関係しているのかと思いました。

香りの記憶形成・固定化メカニズムの解明
https://www.cosmetology.or.jp/research_report/archives/2019/fullVersion/Cosmetology%20Vol27%202019%20p200-205%20Manabe_H.pdf

匂いの記憶は、単にその匂いがどのような匂いであるかだけでなく、そのときに経験したエピソードも含めて想起されることは我々の日常生活においてもよく経験することである。この匂いと連合した経験によって、例えば、特定の香水に対する愛着などがおこると考えられる。匂いによって過去の経験が想起される心理現象は、「プルースト効果」と呼ばれている1)。

匂いを手掛かりとした行動学習課題遂行中のラット梨状皮質からリアルタイムに神経活動をモニターすることで、匂いとエピソードの連合学習における梨状皮質の役割を検討した。

 記憶の固定化研究は海馬で進んでおり、海馬においては、経験時の活動パターンがその後の睡眠時(オフライン時)に、鋭波と呼ばれる特徴的な脳波に伴って繰り返し再現される(再活性化される)ことで記憶が固定化されると考えられている4)。

 我々は近年、徐波睡眠時のラット嗅皮質において、海馬とよく似た特徴を持つ鋭波が観察されることを発見し、嗅皮質鋭波と名付けた5)。嗅皮質鋭波の出現と同時に、特定の嗅皮質ニューロン群が発火活動を起こすことから、海馬と同様に、嗅皮質鋭波上で睡眠直前に経験した神経活動パターンが再活性化されている可能性がある。本研究の第二の目的は、徐波睡眠時の嗅皮質鋭波上で再現される情報とその様式を明らかにすることで、匂いとエピソードの長期固定化機構を明らかにすることである。匂いを手掛かりとした行動学習課題遂行後の睡眠中、梨状皮質で匂いとエピソードの記憶に関わるニューロンが、再活性化するかどうかを検討した。


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