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August 19, 2020

嗅上皮細胞における新型コロナウイルスSARS-CoV-2の侵入タンパク質、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)およびSARS-CoV-2ウイルス侵入を活性化するプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)TMPRSS2ACE2の発現:細胞タイプの同定および加齢による傾向(マウス実験)

Expression of the SARS-CoV-2 Entry Proteins, ACE2 and TMPRSS2, in Cells of the Olfactory Epithelium: Identification of Cell Types and Trends with Age

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acschemneuro.0c00210

嗅上皮細胞における新型コロナウイルスの侵入タンパク質、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)およびプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)TMPRSS2ACE2の発現:細胞タイプの同定および加齢による傾向

Abstract
要旨

The COVID-19 pandemic revealed that there is a loss of smell in many patients, including in infected but otherwise asymptomatic individuals. The underlying mechanisms for the olfactory symptoms are unclear.

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、感染したが無症候の個人を含む多くの患者に嗅覚喪失があることが明らかになりました。嗅覚症状の根本的なメカニズムは不明です。

Asymptomatic 無症候の

Using a mouse model, we determined whether cells in the olfactory epithelium express the obligatory receptors for entry of the SARS-CoV-2 virus by using RNAseq, RT-PCR, in situ hybridization, Western blot, and immunocytochemistry.

マウスモデルを用いて、嗅上皮細胞が、RNAシーケンス、RT-PCR法(逆転写・ポリメラーゼ連鎖反応)、in situハイブリダイゼーション、ウエスタンブロット、および免疫細胞化学法を使用して、新型コロナウイルスのウイルスの侵入に対する必須受容体を発現するかどうかを確認しました

olfactory epithelium 嗅上皮
in situ hybridization:in situ ハイブリダイゼーション(インサイチュー ハイブリダイゼーション、in situ hybridization、ISH)用語説明あり
in situ:ラテン語で「本来の場所で」
hybridizationハイブリダイゼーション(異種交配)
RNAseq :RNAシーケンス

RT-PCR法  用語説明あり
RT:Reverse Transcription 逆転写
PCR(Polymerase Chain Reaction):ポリメラーゼ連鎖反応
immunocytochemistry免疫細胞化学法We show that the cell surface protein ACE2 and the protease TMPRSS2 are expressed in sustentacular cells of the olfactory epithelium but not, or much less, in most olfactory receptor neurons.

細胞表面タンパク質アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)およびプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)TMPRSS2が嗅上皮の支持細胞で発現しているが、ほとんどの嗅覚受容体ニューロンでは発現していないことを示しています。

Protease プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
TMPRESS2: Transmembrane protease, serine 2、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ

Transmembrane 膜貫通
Serine:セリン(タンパク質を構成するアミノ酸の一。化学式 C3H7NO3 板状結晶で水によく溶ける。弱い甘味をもつ。絹成分のセリシンに最も多く含まれる)

sustentacular cells of the olfactory epithelium:嗅上皮の支持細胞
嗅上皮は形態的に表層(支持細胞)・中間層(嗅神経細胞)・基底層(基底細胞)
上記は嗅神経細胞の再生より 用語解説あり

These data suggest that sustentacular cells are involved in SARS-CoV-2 virus entry and impairment of the sense of smell in COVID-19 patients. We also show that expression of the entry proteins increases in animals of old age. This may explain, if true also in humans, why individuals of older age are more susceptible to the SARS-CoV-2 infection.

これらのデータは、支持細胞がSARS-CoV-2ウイルスの侵入と新型コロナウイル患者の嗅覚障害に関与していることを示唆しています。 また、老齢の動物では侵入タンパク質の発現が増加することも示しています。 これは、人間にも当てはまるのであれば、なぜ高齢者が新型コロナ感染にかかりやすいのかを説明しているのかもしれません。

用語

RT-PCR法
http://www.kenq.net/dic/34.html
RTとはReverse Transcriptionの略で、逆転写を意味します。
逆転写とは、RNAを鋳型としてDNAを合成することで、逆転写により合成されたDNAをcDNA(cは“相補的”を意味する“complementary”の頭文字です。)と呼びます。
RT-PCRは、cDNAを用いてPCRを行う方法です。
本手法により、タンパク質をコードする遺伝子を選択的に増幅したり、少量しか存在しないmRNAを増幅して解析に使用することが可能となりました。また、遺伝子発現解析の手法としても利用されています。
DNAを増幅する最の基本的な原理は通常のPCRと同じです。
逆転写の過程も含めたRT-PCRの原理を下図に示しています。

免疫組織化学法とは
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%8C%96%E5%AD%A6%E6%B3%95

免疫組織化学法は、特定の抗原 (antigen)に結合する抗体 (antibody)との抗原抗体反応を利用して、抗原物質の局在やそれを発現する細胞要素を可視化する組織化学法を指す[1]。特に、培養細胞などの単離細胞を染色する方法を免疫細胞化学法 (immunocytochemistry)として呼び分ける場合、免疫組織化学法は組織切片や個体全体を染色する方法の意味を持つ。

嗅上皮の支持細胞のことについて調べていたら見つけた記事です。嗅上皮が三層に分かれていることがわかりました。

嗅神経細胞の再生
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/47/1/47_1_68/_pdf/-char/ja

I.はじめに
嗅上皮に含まれる嗅神経細胞は「終生絶え間なく再生を繰り返す」という中枢神経細胞としては特異な能力があり,障害を受けた嗅上皮は「再生」というプロセスを通して修復される

II.嗅神経細胞の分化過程
嗅上皮は形態的に表層・中間層・基底層に分類され,表層には支持細胞が存在し,中間層には,嗅神経細胞が存在し,成熟度により未成熟と成熟に分けられる。基底層には基底細胞が存在し,形態により球状の基底細胞(globose basal cell : GBC)と平坦な基底細胞(horizontalbasal cell : HBC)に分かれ,このうち幹細胞として神経細胞への分化するのはGBC と言われている。

新型コロナウイルスに関連したACE2は一体どんなものでしょうか?
https://www.cyagen.jp/community/newsletters/issue-20200323.html

2、ACE2と新型コロナウイルスの関連
ACE2はSARSウイルスの機能受容体である。研究により、SARSコロナウイルスがACE2の細胞腔を通じて感染する際に、感染力が10倍上がる。SARSウイルスRBDがその外部タンパク質ドメインを利用して受容体のN末端と結合し、RBD/ACE2相互の中で主導地位を占拠する親水性の接触になる。ACE2と結合した後、SARS-CoV包膜と宿主細胞との融合はS2サブユニットで完成する。ここで2種類のプロテアーゼを説明する。一つはADAM17メタロプロテイナーゼであり、もう一つはセリン膜貫通プロテアーゼTMPRSS2である。この2種類の酵素はコロナウイルスが宿主細胞に侵入してACE2と結合するときに効力を果たすというニュースがある。具体はどんな過程であろう

関連ブログ
鼻粘膜上皮表層の二つの細胞-杯細胞と繊毛細胞が新型コロナウイルスの初期感染ポイントScience dailyより
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2020/05/post-b7f9e8.html
Key nose cells identified as likely COVID-19 virus entry points

新発売精油

ローズアルバ(インドネシア)Abs2ml・精油
https://phytoaroma.ocnk.net/product/573

ルゴサローズ2ml・精油
https://phytoaroma.ocnk.net/product/574

和種ハッカ有機(ネパール)5ml・精油
https://phytoaroma.ocnk.net/product/572

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August 07, 2020

アンジェリカルートCO2(二酸化炭素抽出)2ml・精油(バイオレットボトル充填)新発売

人生の岐路に立ち、戻ることも前へ進むこともできない状況を受け入れられないとき、アンジェリカ精油使用は強さや持久力にアクセスしてくれ、前進することができます。

取引先からの成分分析表をみたところ、Osthol(オストール)の成分が初めてみました。調べてみたら水蒸気蒸留のアンジェリカルート精油には含まれていない成分でした。”オストール(osthol)は、クマリンのO-メチル化物である。 カルシウム拮抗剤であり、ジャショウシやセイヨウトウキ、シシウド等の植物で見られる。”と出ていました。オストールの作用に関して文献を調べた内容は作用の項目に書いてます。同じ部位の植物の抽出方法が違うと成分が違ってくることがわかりました。

そのことは、今回ブルガリアから購入したローズの精油で主要成分の違いがあるので良くわかりました。下記になります。
ローズオットー:(シトロネロール:(36.40%)、ゲラニオール(24.15%)、ネロール(12.10%)とローズAbs:フェネチルアルコール(69.98%)、シトロネロール:(6.20%)、ネロール(2.91%)。

アンジェリカルートCO2(二酸化炭素抽出)2ml・精油

学名:Angelica archangelica Linn.
Angelica:天使の Archangelic 大天使

英名:聖霊(Holy Ghost), 野生セロリ、ノルエーアンジェリカ 和名:セイヨウトウキ

科名:セリ科 シシウド属 多年草、原産国:ドイツ

抽出部位:根(0.3%〜1%の芳香成分含有) 抽出方法:二酸化炭素

植物の特徴
ヨーロッパのアルプス地方原産とされる越年草。もともとは薬草として根を婦人科の鎮痛剤や強壮剤として用いた。このような薬効をもつところからアンゼリカ(エンゼル、天使の意味)の名がついた。根や種子からはアンゼリカ油と呼ぶ芳香精油がとれ、ジンやリキュールなどの香り付に利用される。

惑星:太陽
星座:獅子座
チャクラ:ベースチャクラ(第一)、ハートチャクラ(第四)、サードアイ(第六)、クランチャクラ(第七)

安全性:妊娠中は避ける、刺激強、光毒性(オストオール、アンゲリカシン、ベルガプテンのフロクマリン含有のため)

化学成分(取引先の成分分析表より)

芳香成分
α-ピネン(10.1%)、β-フェランドレン(9.7%)、α-フェランドレン(9.2%)、オストール(4.4%)、シクロペンタデカノリド(1.9%)、
トリデカノリド(1.4%)、12‐オキサビシクロ[9.1.0]ドデカ‐3,7‐ジエン(0.43%)

化学成分(定量分析)
オストール(15.6%)、シクロペンタデカノリド(0.53%)、メトキサレン(0.35%)、トリデカノリド(0.31%)、ファルカリンジオール(0.17%)、アンゲリシン(0.09%)、ベルガプテン(0.80%)、

作用
鎮痙、駆風、浄血、発汗、消化、利尿、月経促進、去痰、解熱、神経鎮静、強壮、健胃、殺菌,解毒、

化学成分オストール:神経保護、骨形成、免疫調節、抗がん、肝保護、心臓血管保護、抗菌(文献のin vitro(試験管内で)およびin vivo(生体内で)の実験結果による)

適用

皮膚:かゆみ、乾癬

循環器系、筋肉、関節:毒素の排泄、関節炎、痛風、リウマチ、むくみ

呼吸器系:気管支炎、喘息、副鼻腔感染症

消化器系:貧血、食欲不振、腹部の膨張感、消化不良

神経系:疲労、偏頭痛、神経性の緊張、ストレス症状、うつ、不安

免疫系:風邪、インフルエンザ

相性の良い精油
カモミール、クラリセージ、サイプレス、サンダルウッド、シーダー、ジュニパー、スイートオレンジ、ゼラニウム、プチグレイン、
フランキンセンス、ベルガモット、マンダリン、ミルラ、ユーカリ、ラベンダー、レモン、レモングラス、ローズマリー

精油のお求めは下記にて
アンジェリカルート(ドイツ)CO2有機2ml・精油(バイオレットボトル充填)
https://phytoaroma.ocnk.net/product/570

お知らせ

自然療法の国際総合学院 IMSI主催で、「医療現場で行うクリニカルアロマセラピー 〜認知症、がん、緩和ケアの現場で行われる最前線のFusion AromaCare™〜」のオンライン講座(2020年10月31日(土)〜2020年11月2日(月)10:00〜17:00)が開催されます。

講師:マデレイン・ケルホフ Madeline Kerkhofはオランダ人の看護師です。彼女は医療現場で精油とCO₂エクストラクトを科学的データに基づいて積極的に実践で使用しています。彼女は世界各地で講演されています。

詳しいことは下記にて

自然療法の国際総合学院 IMSI
https://www.imsi.co.jp/course/aroma/clinical_aroma.html

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