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September 11, 2020

ゼラニウム(シトロネロール)およびレモン(リモネン)精油はコロナウイルスが結合するヒトACE2受容体を下方制御(受容体数の減少)(HT-29ヒト腺癌細胞株実験)

Geranium and Lemon Essential Oils and Their Active Compounds Downregulate Angiotensin-Converting Enzyme 2 (ACE2), a SARS-CoV-2 Spike Receptor-Binding Domain, in Epithelial Cells

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32575476/

ゼラニウムとレモンの精油とその活性化合物は、上皮細胞において新型コロナウイルスのスパイクタンパク質受容体結合ドメイン(部位)であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を下方制御します。

active compounds 活性化合物
sars-cov-2 新型コロナウイルス
Spike:スパイクタンパク質(spike protein)のこと 用語説明あり
Receptor-Binding Domain:受容体結合ドメイン(ヒトのACE2とウイルス側の結合する部位)
下方制御:細胞が刺激に対する反応を下げるために、ホルモンまたは神経伝達物質の受容体の数を減らすプロセス。

Abstract

要旨

Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2), also known as coronavirus disease-2019 (COVID-19), is a pandemic disease that has been declared as modern history's gravest health emergency worldwide. Until now, no precise treatment modality has been developed.

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型、別名新型コロナウイルは、世界中で現代史の最も深刻な緊急事態として宣言されているパンデミック疾患です。これまで、正確な治療法は開発されていません。

Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2):重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型
treatment modality 治療法

The angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2) receptor, a host cell receptor, has been found to play a crucial role in virus cell entry; therefore, ACE2 blockers can be a potential target for anti-viral intervention.

宿主細胞受容体であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体は、ウイルス細胞侵入において重要な役割を果たすことがわかっています。したがって、(ACE2)受容体遮断薬は抗ウイルス介入の潜在的標的になる可能性があります。

angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2) receptor:アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体
host cell 宿主細胞
blockers 遮断薬
potential target 潜在的標的

In this study, we evaluated the ACE2 inhibitory effects of 10 essential oils. Among them, geranium and lemon oils displayed significant ACE2 inhibitory effects in epithelial cells. In addition, immunoblotting and qPCR analysis also confirmed that geranium and lemon oils possess potent ACE2 inhibitory effects.

この研究では、10種類のエッセンシャルオイルのACE2阻害効果を評価しました。それらの中で、ゼラニウムとレモン精油は上皮細胞で有意なACE2阻害効果を表示しました。さらに、イムノブロッティングとqPCR分析は、ゼラニウムとレモン精油が強力なACE2阻害効果を有していることも確認しました。

inhibitory effects 阻害作用
epithelial cells 上皮細胞
immunoblotting 免疫ブロット法(イムノブロット法ともいう.ゲル電気泳動でタンパク質を分別したあと,ゲル中のタンパク質を抗原抗体反応を利用して検出する方法)
qPCR:定量ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 用語説明あり

Furthermore, the gas chromatography-mass spectrometry (GC-MS) analysis displayed 22 compounds in geranium oil and 9 compounds in lemon oil. Citronellol, geraniol, and neryl acetate were the major compounds of geranium oil and limonene that represented major compound of lemon oil. Next, we found that treatment with citronellol and limonene significantly downregulated ACE2 expression in epithelial cells.

さらに、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)分析では、ゼラニウム精油に22種類の化成分、レモン精油に9種類の成分が表示されました。シトロネロール、ゲラニオール、酢酸ネリルはゼラニウムの主要成分あって、レモン精油の主要成分を代表するのはリモネンでした。次に、シトロネロールとリモネンによる治療が上皮細胞におけるACE2発現を有意に下方制御することを発見しました。

gas chromatography-mass spectrometry:ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)
neryl acetate 酢酸ネリル

The results suggest that geranium and lemon essential oils and their derivative compounds are valuable natural anti-viral agents that may contribute to the prevention of the invasion of SARS-CoV-2/COVID-19 into the human body.

結果は、ゼラニウムおよびレモン精油およびそれらの誘導体化合物が新型コロナウイルス-2(SARS-CoV-2 )/ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の人体侵入防止に寄与するかもしれない貴重な天然抗ウイルス剤であることを示唆しています。

SARS-CoV-2 新型コロナウイルス-2
COVID-19  COVID-19 新型コロナウイルス感染症

Keywords: ACE2; COVID-19; SARS-CoV-2; TMPRSS2; citronellol; geranium essential oil; lemon

キーワード:アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2)、シトロネロール、ゼラニウム精油、レモン精油

TMPRESS2(Transmembrane protease, serine 2):II型膜貫通型セリンプロテアーゼ

プロテアーゼ (protease) は、ペプチド結合 (-CO-NH-) の加水分解を触媒する酵素の総称

用語

[解説] 新型コロナウイルスのスパイク (S)タンパク質とは?
http://crisp-bio.blog.jp/archives/23213830.html

スパイクタンパク質は細胞表面にあるACE2(アンギオテンシン変換酵素2、angiotensin-converting enzyme 2)に結合する。ACE2は血圧の調節に関係するペプチドホルモンの一つアンギオテンシンを活性化する酵素である。ACE2は肺、心臓、腎臓、腸の細胞で見られ、これらの細胞はウイルスによる感染の対象となる。PDBエントリー6m17の構造によって、ACE2にSARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインが結合した複合体の構造が明らかになった。複合体の中で、ACE2はアミノ酸輸送体B0AT1にも結合している。ここに示すイラストはこの複合体の構造に、PDBエントリー6vsbから得られたスパイクタンパク質の構造を重ね合わせて描いたものである。


定量PCR
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E9%87%8FPCR

定量PCR(ていりょうピーシーアール、英: Quantitative polymerase chain reaction, Q-PCR)は、その産物を迅速に定量できるポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) の改良型である。これは DNA、cDNA または RNA の増幅が行われる前の総量を間接的に測る方法である。そして通常は目的の遺伝子配列が存在するかどうか、何コピー存在するのかを確かめる目的で利用される。3種類の方法があり、これらは難易度と詳細が異なる。他の PCR 同様、DNA試料は DNAポリメラーゼと温度変化によって増幅される。
アガロースゲル電気泳動、SYBRグリーン(二重鎖DNA染色)、蛍光プローブのうちのどれかがよく利用される方法である。後者2つはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を使いリアルタイムに分析が可能である


2. プロテアーゼ依存的なコロナウイルス細胞侵入
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsv/61/1/61_1_109/_pdf/-char/ja
松 山 州 徳 国立感染症研究所 ウイルス第三部
 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)のエンベロープ糖蛋白(S 蛋白)は,宿主プ
ロテアーゼ(トリプシン,エラスターゼ,カテプシン,TMPRSS2)に切られて活性化される.イン
フルエンザウイルス等多くのエンベロープウイルスもプロテアーゼを利用するが,プロテアーゼの作
用する様式がSARS-CoV とは異なる.インフルエンザウイルスの場合は細胞でウイルスが作られる
ときエンベロープ糖蛋白(HA)がプロテアーゼに切られ「膜融合誘導可能な形」になるが,SARSCoV
の場合は「細胞侵入の瞬間」にS 蛋白が切られて膜融合開始の引き金が引かれる.

嗅覚受容体で下記のことを思いついたこと

嗅覚受容体はGタンパク共役型受容体(GPCR)であり、精油の化学成分が受容体に結合することによって薬理効果が発現します。細胞には数え切れいないほど受容体があり、精油関連の文献を読むと、細胞の受容体に結合して鎮静効果出ると書いてあります。精油の化学成分と受容体との結合による薬理効果に興味をもっています。

味覚研究の新展開
http://www.mac.or.jp/mail/191101/02.shtml
3)嗅覚および味覚受容体
嗅覚と味覚のうち、受容体レベルでの研究が最初に進んだのは嗅覚である。化学感覚の研究は生理学的手法を中心に行われてきたが、1991年にBuckとAxelが分子細胞生物学的手法を用い、嗅覚受容体はGタンパク共役型受容体(GPCR)であり、巨大なファミリーを形成していることを発見した3)。この発見により、嗅覚研究は一気に進み始めることになる。その後、嗅覚受容体がマウスでは約1000種類も存在することや、嗅覚受容体に匂い分子が結合しその結合パターンにより様々な匂いが生じることが分かり、現在では匂いやフェロモンと行動の関係について理解が深まっている。一方、味覚研究は嗅覚研究に後塵を拝していた。1994年、MargolskeeらはGタンパク質のα-gustducinを発見し4)、味細胞に存在し甘味と苦味伝達に重要であることを報告したが5)、味覚受容体の同定にはしばらく時間がかかった。2000年前後にようやく苦味受容体(Tas2r)、甘味受容体(Tas1r2+Tas1r3)、うま味受容体(Tas1r1+Tas1r3およびmGluRs)が報告された6,7)。

思いついたこと
コロナウイルのスパイクタンパク質受容体結合ドメイン(部位)→宿主上皮細胞のアンジオテンシン変換酵素2に結合→宿主プロテアーゼによってウイルスのエンベロープ糖蛋白切断→コロナウイルス活性
新型コロナウイルス肺炎COVID-19原因ウイルスのSARS-CoV-2がヒト細胞に侵入する際に結合すると考えられているヒト細胞側のタンパク質(受容体)はACE2です。

ACE2受容体は鼻上皮、口腔粘膜、舌上皮、気管支・肺・心臓・腎臓・消化器等(小腸、大腸)に発現している。これらの発現している組織には調べてみるとほとんど嗅覚受容体があります。同じところにあるのだからお互いに影響することになるのかと思いました。

研究によると鼻粘膜上皮のACE2発現は年少小児群で最も低く、年齢と共に増加した。前回のブログで老齢の動物では侵入タンパク質の発現が増加することも示していますと出ていました。

嗅覚も高齢者になると衰えてくると言われています。この記事で細胞実験ですが精油の香り化学成分がACE2受容体に影響を与えることがわかりました。日頃、良い香りを嗅ぐことは体に良い影響を与えるかもしれない?まとまりのないことを書きました。

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