免疫系、ホルメシス(低レベルストレス)およびミトコンドリア
SARS-CoV-2 and mitochondrial health: implications of lifestyle and ageing
https://immunityageing.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12979-020-00204-x
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とミトコンドリアの健康:ライフスタイルと老化の影響
The immune system, hormesis and mitochondria
免疫系、ホルメシス(低レベルストレス)およびミトコンドリア
As indicated, if the virus is modulating mitochondrial function in a variety of cell types, either directly, or indirectly, then the more robust the mitochondrial system, the greater the chance of the system being able to resist the virus. In general, hormetic factors, such as exercise, seem to be necessary to maintain mitochondrial health throughout the body; this phenotype is associated with a more balanced immune response and minimisation of “inflammaging”. In this section we review why this is, and look at why one of the natural hosts of the virus, the bat, may be able to resist.
示されているように、ウイルスがさまざまな細胞型でミトコンドリア機能を直接的または間接的に調節している場合、ミトコンドリアシステムが堅牢であるほど、システムがウイルスに抵抗できる可能性が高くなります。 一般に、運動などのホルミシス因子は、体全体のミトコンドリアの健康を維持するために必要であるように思われます。 この表現型は、よりバランスの取れた免疫応答と「炎症」の最小化に関連しています。 このセクションでは、これがなぜで存在するのかを確認し、ウイルスの自然の宿主の1つであるコウモリが抵抗できる理由を見ていきます。
Phenotype:表現型
A robust mitochondrial system and effective immune system may rely on hormesis
強力なミトコンドリアシステムと効果的な免疫システムはホルミシスに依存している可能性があります
A key component of effective immunity is now thought to be a healthy mitochondrial system [107], while an underlying unifying element to both the ageing process and conditions associated with a poor lifestyle is a degradation in overall mitochondrial function/reserve and a rise in oxidative stress and inflammation [4, 5].
効果的免疫の重要な要素は健康的なミトコンドリアシステムでると考えられていますが、
老化プロセスおよび貧弱なライフスタイルに関係する状態の両方の根底にある統一要素は全体的ミトコンドリア機能/予備能力の退化および酸化ストレスおよび炎症の上昇である。
An important factor in the maintenance of mitochondrial function is hormesis where low levels of stress induce an over-compensatory response that induces positive adaptations, enabling an organism to better tolerate the stressor next time they encounter it.
ミトコンドリア機能の維持における重要な因子はホルミシスであり、低レベルのストレスが過剰な代償反応を誘発し、それが正の適応を誘発し、生物が次にストレッサーに遭遇したときにストレッサーをよりよく許容できるようにします。
For example, an effective hormetic response can be induced by sub-lethal doses of physical activity, calorie restriction and many plant polyphenols [12], with mitochondrial stress being a key trigger [108]. This results in an enhanced respiratory reserve and anti-oxidant capacity, and a greater ability to manage the ATP/ROS ratio when placed under stress [109]. Certainly, small, long-lived species like bats and sparrows, when compared to comparatively much shorter lived species like mice, do demonstrate lower levels of mitochondrial hydrogen peroxide release [110].Given that mitochondrial dysfunction is strongly correlated to immune dysfunction and chronic inflammation [111], then inflammation resolution is probably going to be best achieved by ensuring healthy mitochondrial function as it ensures that ROS release does not get out of control.
たとえば、効果的ホルミシス反応は、致死量以下の身体活動、カロリー制限、および多くの植物ポリフェノール[12]によって誘発され、ミトコンドリアストレスが重要な引き金となります[108]。これにより、呼吸予備能と抗酸化能が向上し、ストレス下に置かれたときにアデノシン三リン酸(ATP) / 活性酸素(ROS)比を管理する能力が向上します[109]。確かに、コウモリやスズメのような小さくて長命の種は、マウスのような比較的短命の種と比較した場合、ミトコンドリアの過酸化水素放出のレベルが低いことを示しています[110]。ミトコンドリア機能障害は免疫機能障害および慢性炎症と強く相関していることを考えると[111]活性酸素種ROS放出が制御不能にならないようにするため、健康なミトコンドリア機能を確保することによって炎症収束が最もよく達成されるでしょう。
over-compensatory response過剰な代償性反応
positive adaptations 陽性順応
sub-lethal 致死量以下下の
respiratory reserve 呼吸予備能
mitochondrial hydrogen peroxide release ミトコンドリア過酸化水素放出
anti-oxidant capacity 抗酸化能
inflammation resolution 炎症収束
用語
ホルミシス (hormesis)
https://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc2/doc2-02-01.html
ホルミシス (hormesis) とは、高用(線)量では生体機能を抑制したり、有害作用を発揮したりするけれど低用(線)量ではむしろそれを刺激して活性を高めたり、防御的に働き、生体に有益な作用をもたらす現象のことをいいます。
βカロチンやリコペンなどのカロチノイドは緑黄野菜などに多く含まれている抗酸化物質として一般にも知られています。カロチノイドをヒト細胞の培養液に加えて抗酸化能を調べてみるとどのカロチノイドでも低濃度領域では確かに紫外線による脂質過酸化物の生成を抑える作用がありますが、ある濃度を超えると逆に酸化を促進し、用量反応曲線はJ字型となって、典型的なホルミシス様応答を示します(図35-1)。
表現型
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E5%9E%8B
表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、英: phenotype。ギリシャ語のpheno=表示+type=型に由来)は、生物の複合的で観察可能な特徴や形質を表す遺伝学の用語である。この用語は、生物の形態学的または物理的な形態と構造、その発生過程、生化学的および生理学的性質、その行動、および行動の産物を網羅している。ただし、獲得形質は含まない。
生物の表現型は、生物の遺伝コードまたは遺伝子型の発現と、環境要因の影響という、2つの基本的な要因に起因している。両方の要因が相互作用して、表現型にさらに影響を与えることがある。
表現型を調べているときに見つけました。
細胞老化の多様性とそのメカニズムを提唱―代謝とエピゲノムによるバリエーションの形成―
https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20201007-01.html
細胞老化の多様性とそのメカニズムを提唱―代謝とエピゲノムによるバリエーションの形成―
ポイント
•細胞老化※1は持続的な増殖停止の状態であり、炎症性タンパク質などを多量に合成・分泌するため、身体全体の個体老化※2の重要な要素である
•細胞老化には開始期(増殖停止)、早期(抗炎症)、完成期(炎症と代謝増加)、後期(炎症と代謝減少)の少なくとも4つの表現型バリエーション※3がある
•細胞内代謝※4とエピゲノム※5(遺伝子のON/OFF制御)の変換が協調的に行われる「細胞老化のプログラム」によって、老化細胞のバリエーションが形成される
•細胞老化の表現型バリエーションという新しい観点から、老化過程のメカニズムの理解、加齢性疾患の制御・予防法の促進が期待される
翻訳していて思いついたことでいつもとおりまとまりがないです。
ホルメシスは低レベルの刺激は良い効果をもたらす。これは穏やかな皮膚へのタッチは心地よさをもたらす。強い刺激は不快をもたらす。ホメオパシーでは毒をエネルギーレベルまで希釈すると毒も医療的効果をもたらす。また、五感を刺激すると脳に心地良さをもたらす。精油の効果も濃度が濃いと副作用をもたらすことがあります。文献に容量依存と言う言葉が出ていきます。このことは容量を守らないと副作用をもたらします。
もって生まれた遺伝子も環境要因で変化することが表現型と言うそうです。中医学で先天の気は生まれたときの遺伝子とも考えられる。また、後天の気(水穀)で養生すなわち環境をどのように整えるかによります。このことは環境を変えることによって変化することができることを意味します。脳の可塑性(plasticity)という言葉があります。脳を構成する神経とそのネットワークは固定的ではなくて、その人の環境の変化に応じて変化する能力があります。
巣ごもりの生活で動きが減っています。ミトコンドリアは細胞の中にたくさんあり、常に動いているそうです。動くことで他のものに刺激を与えているのだと思います。現状維持または変化するには自分に対して穏やかないろんな刺激を与えることが必要になってくるのかもしれません。
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