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August 24, 2022

避妊ピルはパートナーの選択に影響を与える。Science dailyより

Contraceptive Pill Influences Partner Choice

https://www.sciencedaily.com/releases/2008/08/080812213824.htm

避妊ピルはパートナーの選択に影響を与える

Date: August 13, 2008

Source: University of Liverpool

情報源:リバプール大学

Summary: 

概要:

The contraceptive pill may disrupt women's natural ability to choose a partner genetically dissimilar to themselves, research has found.

避妊ピルは、自分と遺伝的に異なるパートナーズを選ぶという女性の自然能力を乱す可能性があることが、研究により明らかになった。

contraceptive pill 避妊ピル

dissimilar to 違った

FULL STORY

全文

The contraceptive pill may disrupt women's natural ability to choose a partner genetically dissimilar to themselves, research at the University of Liverpool has found.

避妊ピルは、自分と遺伝的に異なるパートナーズを選ぶという女性の自然能力を乱す可能性があると、リバプール大学の研究で解明しました。

Disturbing a woman's instinctive attraction to genetically different men could result in difficulties when trying to conceive, an increased risk of miscarriage and long intervals between pregnancies. Passing on a lack of diverse genes to a child could also weaken their immune system.

遺伝的に異なる男性に惹かれる女性の本能的な能力を乱すと、妊娠しようとするときに困難が生じ、流産のリスクが高まり、妊娠の間隔が長くなる可能性があるとのことです。また、多様な遺伝子の欠如を子供に遺伝させると、子供の免疫力が低下する可能性もある。

Conceive 妊娠する
Miscarriage 流産

Humans choose partners through their body odour and tend to be attracted to those with a dissimilar genetic make-up to themselves, maintaining genetic diversity. Genes in the Major Histocompatibility Complex (MHC), which helps build the proteins involved in the body's immune response, also play a prominent role in odour through interaction with skin bacteria. In this way these genes also help determine which individuals find us attractive.

人間は体臭で相手を選び、自分と異なる遺伝子を持つ相手に惹かれる傾向があり、遺伝子の多様性が保たれている。また、体の免疫反応に関わるタンパク質の構築を助ける主要組織適合性複合体(MHC)の遺伝子も、皮膚細菌との相互作用を通じて匂いに大きく関与している。このように、これらの遺伝子は、どのような人が私たちを魅力的だと感じるかを決定するのにも役立っているのです。

Major Histocompatibility Complex (MHC):主要組織適合遺伝子複合体(MHC)

The research team analysed how the contraceptive pill affects odour preferences. One hundred women were asked to indicate their preferences on six male body odour samples, drawn from 97 volunteer samples, before and after initiating contraceptive pill use.

研究チームは、避妊ピルが匂いの好みにどのように影響するかを分析した。100人の女性に、97人のボランティアから抽出した6つの男性の体臭サンプルについて、避妊ピルの使用前と使用後の好みを聞いています。

Craig Roberts, a Lecturer in Evolutionary Psychology who carried out the work in collaboration with the University of Newcastle, said: "The results showed that the preferences of women who began using the contraceptive pill shifted towards men with genetically similar odours.

ニューカッスル大学と共同でこの研究を行った進化心理学のクレイグ・ロバーツ講師は、「結果は、避妊用ピルを使い始めた女性の好みが遺伝的に類似した匂いを持つ男性にシフトしたことを示しました。

Evolutionary Psychology 進化心理学

"Not only could MHC-similarity in couples lead to fertility problems but it could ultimately lead to the breakdown of relationships when women stop using the contraceptive pill, as odour perception plays a significant role in maintaining attraction to partners."

"カップルの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の類似性は、不妊症につながるだけでなく、女性が避妊ピルの使用をやめた時に、最終的に人間関係の崩壊につながる可能性があります。" 匂い知覚は、パートナーへの魅力を維持するのに重要な役割を果たすからです。

The research has been published in the journal Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences.

この研究は、雑誌英国王立協会のプロシーディング (講演要旨集)B:生物科学に掲載されています。

Proceedings:プロシーディング (講演要旨集)
Royal Society :英国王立協会
Biological Sciences :生物科学

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6#:~:text=%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%EF%BC%88%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%8B,%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E4%BA%8B%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

進化心理学(しんかしんりがく、英語:evolutionary psychology)は、ヒトの心理メカニズムの多くは進化生物学の意味で生物学的適応であると仮定しヒトの心理を研究するアプローチのこと。適応主義心理学等と呼ばれる事もある。

人間行動進化学会は、進化心理学を「社会学と生物学の視点から、現代的な進化理論を用いて、感情、認知、性的適応の進化などを含めた人間の本性を解明する学際的な学問」と位置づけている[1]。研究対象には感情、認知などの他、宗教、道徳、芸術、病理なども含まれる[2]。

主要組織適合遺伝子複合体
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E8%A6%81%E7%B5%84%E7%B9%94%E9%81%A9%E5%90%88%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E8%A4%87%E5%90%88%E4%BD%93

主要組織適合遺伝子複合体(しゅようそしきてきごういでんしふくごうたい、major histocompatibility complex; MHC)は、免疫反応に必要な多くのタンパクの遺伝子情報を含む[1][2]、細胞膜表面にある糖タンパク質である。

概要[編集]

MHC分子は、ほとんどの脊椎動物が細胞に持ち、ヒトのMHCはヒト白血球型抗原 (HLA)、マウスのMHCはH-2 (histocompatibility-2)、ニワトリではB遺伝子座 (B locus) と呼ばれる。


MHCは免疫に関わるが、MHC分子そのものの存在箇所は免疫細胞だけではなく、ほぼすべての有核細胞にもMHC分子は存在する。また、MHC分子は糖タンパク質である。
正確には、MHC分子には主に2種類あり、クラスIとクラスIIという2種類が主要で、このうちMHCクラスIが、核のあるすべての細胞に存在・発現している。(なお、じつはMHC遺伝子には、補体系をコードする遺伝子領域としてMHCクラスIIIがある[8]。) MHCクラスIIは、B細胞・樹状細胞・マクロファージに存在・発現している[9]。

このMHC分子は抗原提示を行うことで細菌やウイルスなどの感染病原体の排除や、がん細胞の拒絶、臓器移植の際の拒絶反応などに関与し、免疫にとって非常に重要な働きをする。その他、ペプチドの輸送に関与するTAP (transporter associated with antigen processing) やプロテアソームに関与するLMP (low-molecular-weight protein) といった、免疫に関するさまざまなタンパク群もこのMHCにコードされている。

なお、あまり正確な言い方ではないかしれないが、T細胞側の、MHCと結合する受容体のことを「T細胞受容体」(TCR)という。つまり、T細胞側の、MHCにとってのリガンド(ある受容体にとっての結合相手側の別の受容体のこと)のことを「T細胞受容体」という。ややこしいことに、T細胞には、MHCと結合する受容体のほかにも多くの受容体があり、それぞれリガンドも異なるのだが、しかし、「T細胞受容体」という呼び方が慣習になっている。

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