トリプルネガティブ乳がんとメチオニン制限の関係― なぜ日本では知られていないのか?
トリプルネガティブ乳がんとメチオニン制限の関係― なぜ日本では知られていないのか?
Title (English):The Link Between Triple-Negative Breast Cancer and Methionine Restriction — Why Is It Not Widely Known in Japan?
なぜ検索しても日本語では出てこないのか?
Why Is Information on This Topic Scarce in Japanese?
最近、「トリプルネガティブ乳がんとメチオニンの関係」を調べていて、不思議なことに気づきました。日本語で検索しても、ほとんど情報が出てこないのです。でも、英語で検索してみると、驚くほどたくさんの情報や論文が見つかります。
どうしてこんなに情報の差があるのでしょうか?その背景を、やさしく紐解いていきたいと思います。
英語圏で語られていること
What Is Being Said in the English-Speaking Medical Community?
海外では、トリプルネガティブ乳がん(Triple-Negative Breast Cancer:TNBC)のがん細胞が「メチオニン」という必須アミノ酸に強く依存している、という研究がいくつかあります。メチオニンとは、肉や乳製品、卵などの動物性食品に多く含まれている成分です。
このため、「メチオニンを制限する食事(methionine-restricted diet)」が、TNBCのがん細胞の増殖を抑える可能性があると報告されています。実際、マウスなどの動物実験でも、メチオニン制限が抗がん効果を持つことが観察されているのです。
日本で語られていない背景とは?Twist: Why Is This Not Widely Discussed in Japan?
日本では、がんと栄養の関係についての研究や実践がまだ少ないのが現状です。特に、栄養療法を医療に取り入れる文化が根付きにくく、「がんの食事療法」と言うと、特別なもの・民間療法というイメージを持たれてしまうこともあります。
また、「たんぱく質=健康によいもの」とされがちな中で、特定のアミノ酸を制限する、という考え方は、まだ広く知られていません。医学論文が英語で書かれていることもあり、情報が日本に入ってくるのが遅れているのかもしれません。
日本の医療現場とのギャップ
Gap Between Japanese Medical Practice and International Research
*日本語の医療情報において、「メチオニン依存性」や「メチオニン制限」という言葉は、まだ以下のような状況にあります:
*学会レベルでもあまり議論されていない。
*がん治療における食事療法は、エビデンスの乏しさや個人差の大きさのため、あまり積極的に推奨されていない。
*メチオニンの役割自体があまり一般に知られていない(必須アミノ酸でありつつ、がん細胞の栄養源にもなるという二面性)。
加えて、日本の医療現場ではいまだに「化学療法中心」の治療方針が強く、栄養やライフスタイルの改善といった補完的なアプローチは、あくまで周辺的なものとして扱われがちです。そのため、新しい知見が臨床の現場に届くまでに時間がかかってしまうという現実もあります。
知ることでできる選択
Empowering Ourselves Through Knowledge
私たちは、食べるものを選ぶ力を持っています。そして、その選択が、体の中でどんなふうに働くのかを知ることで、もっと自分の体と仲良くなれるのではないでしょうか。
メチオニン制限は、決して極端な断食や制限ではなく、「植物性中心のやさしいごはん」を選ぶこと。毎日の食事の中で、ちょっとした工夫が、未来の健康に優しい光を灯してくれるかもしれません。
このような新しい視点が、あなたやあなたの大切な人の選択肢を広げる一助になれば、うれしく思います。
いつもありがとうございます。
Comments